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平成30年度 校長談話

「年度がわり」

歳を重ねるごとに、月日の流れの速さを実感しています。そして、この時期は、新年度の準備に追われつつ、更にその速さが増す感覚になります。
3月には年に一度の同窓会総会が行われ、新入会員の歓迎も兼ね、卒業生が懇親会を開催してくれました。現在同窓会員111名ですが、そのうちの32名が出席してくれました。懐かしい顔ぶれが集まり、とても嬉しく、楽しい時間を過ごすことができました。その後も卒業生や以前当校で一緒に働いていただいた方がいらっしゃるなど、今までのことを振り返ったり、新年度のことを考えたり…そんな日々が続いております。
人事異動もありました。私が校長となった2014年に当時の知多市民病院から来ていただいた副校長が、今年度より公立西知多総合病院で教育担当として勤務されることになりました。病院勤務、看護学校勤務を複数回経験されている人材ですので、病院における院内教育や実習指導体制が今後更に充実すると思います。そして、庶務課にも新しい職員が市役所から来てくれました。学校という特殊な環境ではありますが、事務方の職員だからこそできる学生への側面的なサポートをしていただけることを期待しております。
教務課長が副校長も兼務してくれることになりましたし、育児休暇取得後の教員も復帰します。1年間の教員養成研修を終えた教員も本格的に講義や実習に関わることになります。このような変化の中、新1年生も30名入学してきます。新しい風がたくさん、吹く中で今までの伝統を大切にしつつ、更に良い学校へと成長できるように全員で一丸となって様々なことに取り組んでいきたいと思います。
新1年生の皆さんが、この学校を選んで良かった、入学して良かったと思っていただけるように…そして在校生が更に輝けるように…「看護って楽しいな」と思ってもらえるように…今年度も努力していきたいと思います。


              平成30年4月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子


「それぞれの春」

4月13日、14日に新入生春合宿を行いました。一泊二日の研修です。新入生30名全員が参加し、2日間、楽しく、有意義な時間を過ごすことができました。今年から、担当者が変わり、プログラムの見直しも行われ、何だかとても嬉しく思いました。私が当校に来た翌年の入学生から始め、既に5回目になりますが、どんどん新しい形に変わり、よりよく変化しているからです。毎年行っていることはマンネリ化しがちですが、担当者の交替や毎回の振り返りから「より良いものを目指す姿勢」がなくてはこのような変化は見られないと思うからです。
2年生は宣誓式の準備を始めています。宣誓の言葉を考えるところから、クラスのカラーが出ていて、式の練習も非常に熱心に取り組んでいます。5月2日、この談話を更新した後に本番を迎えます。思い出深く、これからの実習に向けて決意を新たに取り組むことができるような式典になればと思っております。
3年生は、毎年のことですが、4月になると「3年生の顔」になります。4月に行った校内防災訓練でもリーダーシップを発揮し、避難訓練では他学年と比較し、静粛に、しかも整然と動けていたことが印象的でした。5月には精神看護学実習が始まります。この実習を経験すると更に成長します。3年間かけて、少しずつ、着実に成長していく学生たちを見ていると、自分も頑張らなければと思います。いくつになってもそんな思いを抱かせてもらえるのは学生のお蔭だと思って感謝しています。
4月に人事異動があり、心配な面もありましたが、教職員の協力体制が強化されたように感じますし、とても雰囲気が良いなぁと思っています。我々教職員が前向きでいることが学生の学習環境の改善につながることは間違いありません。この雰囲気を大切にしていきたいと思っています。


              平成30年5月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子

「高校訪問」

今年度も高校訪問の季節となり、5月の終わりから、在校生の卒業高校を中心に19校の高校を訪問しています。この高校訪問は、高等学校の進路指導の先生とお会いして、当校の特徴をお話しさせて頂いたり、受験についてのご説明やオープンキャンパスのご案内をすることが主要な目的です。加えて、在校生や卒業生の様子をお伝えしたり、看護系の進路指導をされる際に感じられる指導の難しさについてお伺いしたり…といろいろな目的をもって行っています。
その中で、いつも思うことは、高等学校の先生も含め、私達教員の関わり方次第で生徒、学生は本当に成長するのだということです。お話を伺っていて、進路指導に熱意をもって取り組んでいらっしゃる先生方の在籍されている高等学校を卒業された学生は、当校での学びの上でも前を向いて頑張れる人が多いのです。先生方は、きちんと一人一人に向き合い、その進路について共に考え、悩み、支えて下さったお蔭だと思うのです。だからこそ、目標をしっかりと見据えて、自ら努力できるのだと。
そのような先生方から受け継いだ大切な学生を迎えた我々は、その目指す道を共に歩き、時には先を照らし、時には前を歩き、時には後ろから見守り、学生一人一人が胸を張って旅立つことができるように支えねばならないと強く思う貴重な機会になっています。更に、高等学校で学生たちの成長を見守って下さった先生方に更なる成長ぶりをご報告することもこの訪問の大きな目的であると実感もしています。
6月の初旬まで高校訪問が続きます。高校の先生方との出会いを大切にし、高等学校からの教育、そして当校卒業後の卒後教育へと繋ぐことも頭にいれながら、看護専門学校として更に努力してまいりたいと思います。


              平成30年6月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子

「里帰りデー、そして卒業生の来校」

今年度も6月14日に里帰りデーを開催しました。昨年度卒業した27名中24名の卒業生が参加してくれました。皆で丸く座り、お茶やお菓子を飲んだり、食べたりしながら、近況報告をしました。このクラスの特徴だと思うのですが、一人話すと自然に誰かが応答する、話が終われば自然に拍手…。何とも温かい雰囲気で時間を過ごすことができました。入職から2ヶ月経ち、できるようになったこともあれば、自分の出来なさに、ただただ情けなかったり、不安だったり・・・いろいろな感情が日々、くるくると変化している時期だと思います。そんな中で、学生時代に様々な経験を共にした仲間と会うことで、「自分だけじゃない…」という気持ちを実感してほしいなと思い、企画しています。
終了後のアンケートには、「話が聞けて良かった」「話ができてよかった」「ほっとした」「自分だけじゃないと思えた」などの意見がみられ、ひとまず、開催して良かったなと思いました。帰る時には、皆が元気になったような気がしましたし、「また、遊びに来ます!」とも言ってくれました。卒業式のときに、「悩んだり、立ち止まったりしたときには、是非来て話を聞かせてください」というメッセージを送るようにしています。だからこそ、卒業生が気軽に立ち寄れる学校でありたいと思います。
その思いが届いたのか、最近、よく卒業生が顔を見せてくれます。図書館に調べものに来たり、私達と話をしに来たり、在校生に会いに来たり・・・理由は様々ですが、皆が来てくれる回数が増えたなぁと思います。そして、その様子を在校生が垣間見ることになり、自分たちも卒業したら…と考えてくれる・・・そんな良い循環が生まれてきているのだと思います。入学していただいたら、そのご縁を大切に、在校時はもちろん、卒業後もずっと応援団でいさせてもらえることに感謝しています。



              平成30年7月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子

「プロセスレコードの検討会」

3年生の統合と実践演習でプロセスレコードの検討会を6回実施しました。そして、そのまとめとして7月30日にグループ発表を行いました。各検討会でそれぞれの持ち寄った事例についてグループで検討した結果です。5つのグループがそれぞれの持ち味を活かし、さすが3年生と思える発表をしてくれました。
入学当初に行ったグループワークやその結果発表を思い出すと、その成長ぶりを実感し、とても嬉しく思います。当校では、社会人基礎力と倫理性を育てるため、グループワークを多く取り入れています。1年生の時に話せなかった人も3年生になる頃には、自分の意見を言えるようになってきます。とはいえ、個々の学生の持ち味もあり、当初より発言が控えめであった人は、3年生になっても控えめではあります。ですが、自分の役割が出来た時や自分が主体となって発言しなくてはいけない場面においては、きちんと発言できるようになってくるのです。
そのような成長を促す「しかけ」として、ピア評価を実施することがあります。学生同士で、グループワークにおいて、どのようなところが良かったか、どのようなところをもう少し努力すると良いか、という視点で評価しあうのです。私達教員は、その結果を取りまとめ、学生個人にフィードバックします。一朝一夕に変化があるわけではないですが、様々な場面で「自分の考えを伝える」「自分の思いを語る」という機会を増やすことも心がけています。
看護学校の3年間はあっという間ですが、人としての大きな成長を見せてくれる時だとも思います。それぞれの学生が自らの課題を認識し、その改善に自律して取り組んでいくことができるように応援していきたいと思っています。



              平成30年8月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子

「旧友との再会と新しい出会い」

8月2日に、毎年、開催している全体講演会を行いました。大変な猛暑の中、京都大学医学部大学院医学研究科人間健康科学専攻 緩和ケア・老年看護学教授である田村恵子先生をお迎えすることができました。テーマは「スピリチュアルケアとは-アセスメントの視点から-」でした。学生以外にも教員、母体病院の看護師も聴講し、会場は熱気であふれていました。田村さんとは、大学院時代に共に学んだ仲間であり、今回の講演もその縁でお引き受けくださったと思い、大変感謝しております。
田村さんは、NHKザ・プロフェッショナル仕事の流儀にも出演され、その後ドラマのモデルになった方でもあります。しかし、私にとってはまさに「旧友」で、年齢の差はあるものの、再会した途端に20年以上前の自分に戻ってしまいました。大学院時代から今もそうですが、常に私の前を歩き、様々な刺激をくださいます。スピリチュアルケアを実践する人は、自らのスピリチュアルにも目を向ける必要があるというお話が印象に残りました。学生たちと関わっていて思うことは、看護学校の3年間で「対象をおもう」ことを学んでいるのだということです。入学前までは、自分中心であった生き方、ものの考え方を3年間かけて、他者の立場になる…ということを学ぶのだと思っています。ですから、学生にも、まずは自分の感情に向き合うことを勧めています。この営みがスピリチュアルケアに繋がっていくと信じています。
そして、8月13日に新しい出会いもありました。知多市長さんのご紹介で「寝たきり社長」と名乗られている、佐藤仙務さんにお会いしました。佐藤さんは、脊髄性筋委縮症で、動かせるのは親指と顔だけですが、2011年に19歳で株式会社「仙拓」を起業されました。今回は、佐藤さんの生活を支えるヘルパーとして看護学生にアルバイトをお願いできないかということでいらっしゃいました。お話の中で印象的だったのは、「僕みたいにいろいろなケアが必要な人で、言葉でコミュニケーションをとれる人って少ないと思うんですよね。だから学生さんにも勉強になると思うんです。」という言葉でした。その臆することのない、前向きな言葉に驚いたのも事実です。しかし、医療ジャーナリストの塩田芳亨さんの著書(『寝たきり社長 佐藤仙務の挑戦』)を読んで、そういう発言をされる佐藤さんの在り様を少しは理解したように思います。佐藤さんは、目指す方向に向かって、必要な人と出会い、そして巻き込んでいく天才なのだと思いました。何だか「巻き込まれてみたい」…そんな気持ちになりました。学生からの申し出があり、ご縁が続くことを願っています。
田村さんと佐藤さんの共通点は、「前向きな姿勢」だと思いました。目指す方向がはっきりしているのだと思います。だからこそ、活動の場やその方法を変えながらも、しっかりと前を向いているのだと思います。このお二人との関わりから、私自身も気持ちを引き締め直して、目指す方向への歩みを進めていこうと思いました。

              平成30年9月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子

「論文抄読会」

今年度も論文抄読会が始まりました。科目名は「看護研究」で、30時間のうち、15時間を使って論文抄読会を行います。夏季休暇前に課題として、個人でグループごとに与えられた論文一編を読み込み、評価表に評価結果を記入するということを提示しました。そして今月から、個人で取り組んだ結果を持ち寄り、グループワークを実施しています。
論文を評価するということはもとより、論文をしっかり読むこと自体が初めての体験である学生がほとんどです。ガイドラインに沿って評価をするのですが、そのガイドラインで使われている言葉の意味が分からない…という状況です。そんな中でも、それぞれの力を出し合い、時には教員の説明を受けながら、評価項目に沿って、ひとつずつ評価をしています。
ほとんどの看護系大学では、個人で看護研究を行い、卒業論文としてまとめる経験をしていると思います。しかし、当校では、その時間をとること自体が難しいため、「自ら看護研究できる」レベルではなく、「他者が行った看護研究成果を活用できる」レベルを目指しています。つまり、臨床で困った事例に出会った時などに、文献検索を行い、活用できそうな文献をみつけ、それを評価し、信頼できる研究結果をケアの根拠として活用することができるようになってほしいと願っています。そのような取り組みを日常的にしっかりと行うことができれば、自らが臨床で看護研究に取り組む際にも、評価項目と評価のポイントを念頭に置いて実施できると考えています。
分からない言葉のオンパレードという状況に、時々、グループワークが停滞することもあります。ですが、「そういうことか!」と分かった時の学生たちの目の輝きも印象的です。毎年、少しずつ、学生たちが取り組みやすいように資料を作り直したり、オリエンテーション内容を修正したりしています。看護研究は、決して楽しいばかりではないけれど、取り組む事でその先に喜びや充実感、達成感があると思います。そして何より、看護師として、看護の質を上げていくためにも続けていかなければいけない責任があると思っています。


             平成30年10月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子


「人に伝える力アップ講座開始!」

10月より、「“人に伝える力”アップ講座」を始めました。2年生対象で、文章を書くことが苦手な人を中心に10名が参加してくれることになりました。10月の終わりまでに6つのテーマについて、800字を60分で書き上げるという訓練をしています。学生の書いた文章に私がコメントを書き添えて、返却し、再度書き直して提出する…ということを繰り返しています。当初、ひとつのテーマで書き直しは1回と想定していたのですが、熱心な学生は3回、4回と提出してくれるのです。私も、学生の頑張りに応えるために必死です。通常の就業時間内で添削することは難しいことも多く、最近は学生と同じように宿題を持ち帰る毎日です。
また、基本的には、授業の無い時間帯で計画しているのですが、2年生のこの時期は複数の科目でグループワークが並行して行われているため、なかなか全員が集まらないのが現状です。しかし、参加できなかった時には、翌日あるいは翌々日に書き上げた小論文を提出してくれています。全員に共通するアドバイスは全員に伝えたいと思うため、その時間を調整することも学生ともども苦労しているところです。
しかし、本当に楽しいです。学生が考えていることがわかりますし、それぞれに着実に書く力が伸びていることも実感できます。修正個所を中心にコメントしているため、本人たちはあまり自覚していないかもしれませんが、既に開始当初と比較して「“人に伝える力”アップ」を私は実感しているのです。
参加している学生は、複数の課題に取り組む中で大変な時間(とき)を過ごしていると思います。しかし、今の努力がこの先の実習、そして看護師として働きだしたときに、必ずや報われると信じています。書くこと、伝えることの力をつけることは、とても重要なことだと思うからです。また、書くこと、伝えることを通して、自らの思考の偏りに気づき、視野を広げる機会にもなっていると思っています。そして、その貴重なプロセスに関われることに感謝しています。


             平成30年11月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子



「看護師としての思い出~Part8~」

私が消化器外科病棟で働いていた頃、大腸の病気で大腸のほとんど全てを切除したKさんと出会いました。Kさんは、手術後に食事が始まると腹痛を強く訴えられ、何度も何度もナースコールを押していました。
その頃、看護記録の中でしばしば見られた表現として、「疼痛自制内」「疼痛自制不可」というものがありました。今でこそ、疼痛を評価するツールが一般的に使用されるようになっていますが、その頃は、「我慢できるか」「我慢できないか」という表現だったわけです。そして、その言葉の裏には「我慢強い人」「我慢できない人」という価値判断が潜んでいたと思うのです。今、思えばひどい話です。
人それぞれ、痛みの閾値は異なり、同じ人でも状況によってその閾値に変動があるということは明らかです。私達、看護師は患者さんが「痛い」と訴えられれば、それを受け止め、対応すべきなのです。鎮痛剤を投与するだけが看護ではないのです。しかし、その頃の私は、Kさんに対し、「前に痛み止めを飲んだのは○時だから、○時まで飲めません」と意味のない関わりをしていたのです。そんなことが続いたある日、Kさんと時間をかけてお話しする機会に恵まれました。家族のこと、仕事のこと、今までの治療のこと、今の辛さなど様々なお話を聞きました。その時、Kさんに笑顔が見られたのです。そして、話している間、痛みの訴えはなかったのです。
「痛み」を訴えられた時には、よく観察し、痛みの程度を評価し、原因や影響する要因を明らかにし、痛みの原因を除去あるいは減少させ、痛みそのものの緩和やリラグゼーションなどを行うことが必要です。そして、その過程において患者さんの言葉に耳を傾け、しっかりと受け止める姿勢があれば、和らぐ痛みもあるのだと思います。今、もう一度Kさんにお会いしたら、謝りたい気持ちでいっぱいです。もっと早く、Kさんの「痛み」に向き合うことができていたらと反省しています。学生や卒業生には、忙しくても患者さんの様々な辛さに向き合う看護師でいて欲しいと思います。


             平成30年12月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子



「一般入学試験」


新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。新年早々に様々なことがあり、校長談話を更新することを失念しておりました。1月11日、知多メディアスの「大潜入!公立西知多看護専門学校」の取材を受け、「ホームページを拝見しました」と言われて、ハッと気づきました(お近くの方は是非放送をご覧ください。遠方の方は、後日、知多メディアスのホームページよりご覧ください)。
そのお蔭で(遅れたときのいつもの…)、先日行われた来年度入学者を選考する一般入学試験についてご報告することができます。
毎年のことですが、この入学試験にかける我々教職員の思いや時間は相当なものです。看護師になりたいという思いを持ち、当校を選択して受験してくださった方々の気持ちに応えるため、迎える我々教職員もその準備に力を注いでいます。中でも、面接試験は、例年4グループに分かれて行うため、グループによる差が出ないように、質問の仕方から評価方法までかなりの時間をかけて統一できるように努めています。在学生の中からは、「この学校は、面接に力を入れていることが伝わってきたし、面接グループによる差がなかったことがわかったので、良いと思った」という声を聞いたこともあります。
短い時間の中で、一人一人のすべてを理解することは不可能だと思います。しかし、受験生が少しでもリラックスして自分の力を発揮することができるように、そして、公平に面接し、公正に評価することができるようにこれからも努力を重ねていきたいと思います。
受験してくださった皆さま、本当にお疲れ様でした。4月から共に学び、皆さんが看護師になる道のりのサポートができることを楽しみにしています。


             平成31年1月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子


「体験レポート発表会」

先日、3年生の体験レポート発表会が行われました。体験レポートとは、臨地実習での様々な患者さんとの出会いと関わりを通しての経験から、学んだこと、これからの課題などを記述するものです。夏休み前より取り組み、国語表現法を教えて下さっている講師と私の二人が添削し、推敲し…を繰り返し、発表の日を迎えました。
例年のことですが、学生のレポート発表はとても感動的で、いつも自分が学生だった頃のことや新人看護師だった頃のことを思い出します。それは、学生の感じたこと、考えたことが実に素直にそして丁寧に語られるからだと思っています。今年度は、公立西知多総合病院の看護師さん、八事病院の看護師さんが大勢参加してくださいました。その方々も皆さん、口々におっしゃっていらっしゃった言葉が「今の気持ちを忘れないでほしい」ということです。
臨床の現場では、忙しさが際立ち、学生の頃のように患者さん一人ひとりにじっくりと向き合う時間を確保できないことも多く、「こんなはずではなかった」と自らの理想と、現実の狭間で葛藤することも十分予想されます。私自身もそういった経験を何度となくしてきました。しかし、時間は作ろうとしなければできないのです。1人で働いているわけではありませんから、「今日はこの患者さんとじっくりと向き合って話したい」と思った時には、チームでその時間をつくる努力をすれば良いと思うのです。そして、その時間を無駄にすることなく、その患者さんの今後の生活、人生の助けになるようにするのです。つまり、その後の看護に活かすことが重要なのです。
発表する姿も発表会を運営する姿も3年生らしい実に立派なものでした。その姿を見ながら、それぞれの看護師が自らの理想とする看護を実践することができるようなチーム、その一員として臨床で活躍する姿を想像していました。


             平成31年2月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子


「3年生卒業と実習グループの成長」

3年生が3月1日に卒業を迎えました。2月の国家試験終了後、残っていた最後の演習、技術試験を終え、めでたく卒業となりました。卒業前には例年通り愛校作業をしていただき、その様子を見ながら1年生の頃の姿を思い出すという私の毎年の営みも終わりました。今年の3年生は、私が当校へ赴任して初めて1人も退学者がいない学年でした。それは、この学年の強みであり、魅力でもある「個性を大切にした団結力」の賜物であると思っています。
さて、話は変わりますが、2年生の領域別実習が1月の終わりから始まっています。昨年までは、各クール(領域別実習の12日間の区切りを示します)でグループ編成を変えていました。私が当校に来る前から、この方法で実習を行っていました。開校当初は固定グループで実習を行っていたようですが、学生間のもめごとなど様々な問題があり、毎回グループを変更するという方法に変わったと聞いておりました。
このこと自体に当初、あまり違和感を覚えなかったのですが、ある先輩の校長に実習の計画表を見せた際に「これは学生主体の計画表ではないね」と言われたことから考えるようになりました。当校の実習計画表は実習領域があって、そこに学生の名前が割り振られるような形式でした。ですが、その先輩曰く、学生の名前があってそこに実習領域が割り振られるように考えた方がよいということでした。そうすることで、学生は自分がどのように学習を進めていくのか、理解しやすいということです。そして、もめごとなど様々な問題を解決するための支援もされていたということでした。
正直、SNS世代の学生の様々な問題を解決するための支援は生半可なものではないと覚悟しております。しかし、働き出したら、人間関係で悩むことは沢山あります。そのたびに、仕事を辞めたり、職場を変えたりするような対処ではなく、他者の手を借りながらも乗り越えていく力をつけるためにもこの取り組みは必要だと認識しました。
学生それぞれがチームメンバーを思いやり、「協力することの大切さ」を実感することができるように我々教員がどのように関わることができるか、その力量も試されていると思っています。1年後に今年の3年生と同じように成長した姿で卒業の日を迎えられるようサポートしていきたいと思っています。



             平成31年3月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子