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校長談話Principal Statement

「旧友との再会と新しい出会い」

8月2日に、毎年、開催している全体講演会を行いました。大変な猛暑の中、京都大学医学部大学院医学研究科人間健康科学専攻 緩和ケア・老年看護学教授である田村恵子先生をお迎えすることができました。テーマは「スピリチュアルケアとは-アセスメントの視点から-」でした。学生以外にも教員、母体病院の看護師も聴講し、会場は熱気であふれていました。田村さんとは、大学院時代に共に学んだ仲間であり、今回の講演もその縁でお引き受けくださったと思い、大変感謝しております。
田村さんは、NHKザ・プロフェッショナル仕事の流儀にも出演され、その後ドラマのモデルになった方でもあります。しかし、私にとってはまさに「旧友」で、年齢の差はあるものの、再会した途端に20年以上前の自分に戻ってしまいました。大学院時代から今もそうですが、常に私の前を歩き、様々な刺激をくださいます。スピリチュアルケアを実践する人は、自らのスピリチュアルにも目を向ける必要があるというお話が印象に残りました。学生たちと関わっていて思うことは、看護学校の3年間で「対象をおもう」ことを学んでいるのだということです。入学前までは、自分中心であった生き方、ものの考え方を3年間かけて、他者の立場になる…ということを学ぶのだと思っています。ですから、学生にも、まずは自分の感情に向き合うことを勧めています。この営みがスピリチュアルケアに繋がっていくと信じています。
そして、8月13日に新しい出会いもありました。知多市長さんのご紹介で「寝たきり社長」と名乗られている、佐藤仙務さんにお会いしました。佐藤さんは、脊髄性筋委縮症で、動かせるのは親指と顔だけですが、2011年に19歳で株式会社「仙拓」を起業されました。今回は、佐藤さんの生活を支えるヘルパーとして看護学生にアルバイトをお願いできないかということでいらっしゃいました。お話の中で印象的だったのは、「僕みたいにいろいろなケアが必要な人で、言葉でコミュニケーションをとれる人って少ないと思うんですよね。だから学生さんにも勉強になると思うんです。」という言葉でした。その臆することのない、前向きな言葉に驚いたのも事実です。しかし、医療ジャーナリストの塩田芳亨さんの著書(『寝たきり社長 佐藤仙務の挑戦』)を読んで、そういう発言をされる佐藤さんの在り様を少しは理解したように思います。佐藤さんは、目指す方向に向かって、必要な人と出会い、そして巻き込んでいく天才なのだと思いました。何だか「巻き込まれてみたい」…そんな気持ちになりました。学生からの申し出があり、ご縁が続くことを願っています。
田村さんと佐藤さんの共通点は、「前向きな姿勢」だと思いました。目指す方向がはっきりしているのだと思います。だからこそ、活動の場やその方法を変えながらも、しっかりと前を向いているのだと思います。このお二人との関わりから、私自身も気持ちを引き締め直して、目指す方向への歩みを進めていこうと思いました。

              平成30年9月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子