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令和4年度

「新体制で令和4年度が始まりました」

 今年度より、校長となりました鰐部です。私はこの公立西知多看護専門学校の前身である知多市立看護専門学校の1回生です。卒業後は看護師として働いていましたが、25年ほど前にこの学校の教員になりました。自分でも振り返ってみて驚いてしまいましたが、学生時代を含めると人生の半分くらいの期間、この学校で過ごしています。  
 これまで多くの皆さんと出会い、そして立派に看護師として羽ばたいていく姿を見送ってきました。先月の卒業式では、公立西知多看護専門学校の8回生が素敵な笑顔で「この学校に入学してよかった」と大変嬉しい言葉を教職員へ残してくれました。私たち教職員も「この学校でみんなと出会い、応援してきてよかった」と思う瞬間でした。さらに先日「看護師国家試験、全員合格!」という大きなプレゼントもいただきました。8回生の皆さん、ありがとう。
 さて、今年度の新入生から「気づき、考え、協働する看護の専門職を育成する」という教育理念を基に、新しいカリキュラムが始まります。このカリキュラムは、医療機関に限らず在宅や施設など多様な場において多職種と連携し、対象の多様性・複雑性に対応した看護を提供できる看護師へと成長することを願い、教員一同で2年にわたり、100回以上の会議を重ねて構築したものです。看護を考える基盤となる力を身につけるとともに社会人基礎力と「正しさ」を守る力を高めていくことを期待するとともに、講義や演習そして実習を通して「看護って楽しい!」を伝えていきたいと思います。  
 新しく教職員を迎え、新体制で令和4年度が始まりました。学生の皆さんが夢をかなえられるように、教職員一同、応援していきたいと思います。よろしくお願いいたします。  
 そして卒業生の皆さん、嬉しいことがあったとき、辛いとき、特に報告することがなくても…ぜひ学校へ遊びに来てください。お会いできる日を楽しみに待ってます。
                令和4年4月 公立西知多看護専門学校
                        校長 鰐部 貴久美

ふれあいタイム
 当校は、「学生担当制」と「クラス担任制」の両方を取り入れています。 学生担当制は、一人の教員が各学年2~5名程度を縦割りに担当して個別的な相談や生活指導に関わり、より学生と近い存在となっています。そしてクラス担任(各学年1クラスしかありませんので、クラス担任=学年担当となります)は、クラス全体をまとめる役割があります。つまり学生にとっては、学生担当とクラス担任がいることになります。1学年定員30名だけあって、学生と教員の距離が近いのが当校の強みであると感じています。
 先日、「ふれあいタイム」という時間がありました。これは各教員が担当する学生たちと一緒に昼休みを過ごして親睦を図る目的で、年に2回ほど企画しています。新型コロナウイルス感染症が流行する前は、ともに昼食をとりながらおしゃべりをして過ごしていました。特に4月のふれあいタイムは、入学したばかりの新入生を歓迎する意味もあり、先輩たちが準備したお菓子やジュースをいただきながら、和やかな時間を過ごして、先輩たちとのつながりを大切にする時間となっていました。
 今年度は、感染予防のため昼食後に集まり、先輩たちが企画したゲームやバドミントン、そしておしゃべりをして30分ほどを過ごしました。私には担当学生がいませんので巡回しました。優しく新入生を迎える先輩たちの姿や、はじめは緊張していたけれど少しずつ笑顔を見せるようになった新入生たちの姿を見て、新しくできた先輩と後輩のつながりに心がほっこりしました。この関係は、卒業後も職場や看護職としてずっと続いていくものだと思います。ぜひこの「知多看」としてのつながりを大切にしてほしいな、と思います。

                 令和4年5月  公立西知多看護専門学校
                        校長 鰐部 貴久美

ベッドメイキング
 先日、1年生にとって看護技術の第一歩である「ベッドメイキング」の技術試験が行われました。病床環境を整える授業の中で、患者様が快適に療養生活を送れるようベッドのマットレスにフラットシーツをかける技術です。一見簡単そうに感じますが、しわがなく、そして患者様がベッドに横になっても崩れにくいようにシーツをかけるには、シーツを引っ張る力加減、シーツの端をマットレスの下へ敷き込む方法など、ちょっとしたコツがあります。
 また、中腰で行う作業になるため、ボディメカニクスを活用することで、自分自身の負担を軽減させることも大切です。どれくらいの力加減で、どちらの方向にシーツを引っ張るのかを考えながら、何度も繰り返し練習をすることで、しわのない崩れにくいベッドができるようになるため、学生自身も努力の成果を目に見える形で感じることができます。
 今年も技術試験前には、多くの1年生が授業後や土曜日に登校して、一生懸命練習していました。偶然、来校していた卒業生から初対面にもかかわらず“コツ”を伝授された幸運な学生もいました。
 技術試験では、みんな真剣に取り組み、努力の成果の表れであるシーツがピーンと張られた寝心地のよさそうなベッドができあがっていました。残念な結果になった学生もいましたが、あと一息練習すれば合格できそうです。(私も学生当時、ボディメカニクスがうまく使えず、ベッドメイキングの技術試験は不合格でした。それが10年後には、教員として授業を担当してコツを伝授する立場になっていたのだから…)
 ベッドメイキングを通して、 “なぜそうするのか”という根拠を考えるとともに、繰り返し練習することが看護技術を習得する上で大切であることを学び、今後のさらなる看護技術の習得へとつなげていって欲しいと思います。
               令和4年6月  公立西知多看護専門学校
                        校長 鰐部 貴久美

おかえりなさい
 昨年、一昨年は、新型コロナ感染症の流行に伴い、Zoomを使っての実施となっていましたが、今年は念願の対面での「里帰りデ―」を実施することができました。
  当日は、元気な声で「ただいま!」と多くの卒業生が来校しました。初任給の使い道や社会人になってからの嬉しかったこと、自分をほめたいところなどをテーマに近況報告をしました。初任給で自分や家族にプレゼントを買ったこと、患者さんからの感謝の言葉や先輩からほめられたことが嬉しかったなど、家族や先輩たちなど自分を支えてくれている人の存在を感じ、感謝している様子でした。
 「解剖学かるた」を使ったかるた取り大会では、様々な解剖学の知識が詰まった読み札を聞き「そうなんだ!知らなかった」や「国家試験を思い出す(笑)」という声もちらほら聞かれ、想像以上に盛り上がりました。
 社会人になって2か月、様々なことを経験し、辛かったこともあったでしょう。久しぶりに仲間とひと時を過ごし、嬉しかったことや自分をほめたいことを言葉にすることで、これからも前を向いて進んでいけるといいな、と思いました。私たち教員一同、皆さんと楽しい時間を過ごすことができました。
 卒業生に近況報告を書いてもらい、廊下に掲示しました。掲示した廊下から「先輩たちすごい!」、「初任給か~。いいなぁ、何買う?」など在校生の声が聞こえてきました。国家試験を乗り越えて現場で働く先輩を尊敬し、そして自分の“新人看護師”の姿を思い描いた人もいたのではないでしょうか。後輩たちに、良い刺激となったようです。ありがとうございました。
 短時間での開催だったので、もっとゆっくり話をしたかったと思う人もいるかもしれません。これからも、いつでも学校へ来てくださいね。「おかえりなさい」という気持ちで、お待ちしています。

              令和4年7月 公立西知多看護専門学校
                      校長 鰐部 貴久美

 「ようこそ公立西知多看護専門学校へ!」
 先日、1年生にとって看護技術の第一歩である「ベッドメイキング」の技術試験が行われました。病床環境を整える授業の中で、患者様が快適に療養生活を送れるようベッオープンキャンパスを7月30日に実施しました。今年度からは、在校生がオープンキャンパス委員として企画から協力してくれることになりました。
 来場時から少人数のグループ単位の行動を基本とし、オリエンテーションは各ブースでオンライン使って実施、血圧測定や沐浴などの体験後は部屋や使用した物品を消毒することなど、感染予防対策を実施しながらの開催となりました。学生たちからは、ブースの移動時に「密」にならないようスマートフォンで「インカムアプリ」を活用して連絡を取り合うなど、私たち教職員が思いつかないようなアイデアを出してくれました。
 当日は、参加してくださったみなさんが緊張せずに体験を楽しめるように、在校生が優しく声をかけながら関わり、学校の魅力を伝えてくれている姿が印象的でした。在校生とお話をする「トークブース」も作りましたが、さまざまな体験ブースにおいても、多くの在校生から入試のアドバイスや入学後の生活など、いろいろなお話が聞けたようです。
 新型コロナ感染症が拡大する中でしたので、開催するか悩む日々でしたが、在校生が一生懸命準備する姿に支えられ、そして当日もおもてなしの心が伝わるような在校生の姿に、当校の魅力が十分伝えられたと感じ、嬉しい1日となりました。
  最後にお知らせがあります。学生たちの大きな協力により、オープンキャンパスを機会にインスタグラムを開設することができました。これからも時々学校の様子をお知らせしていきたいと思います。よろしくお願いします。
              令和4年8月 公立西知多看護専門学校
                      校長 鰐部 貴久美

「図書室の管理が変わりました」
  本校では、今年度からようやく図書室の本をバーコードでシステム管理することになりました。そのため図書室にある約12,000冊の本にバーコードのシールを貼っていく作業が必要となりました。夏休みを利用して、1年生に2人1組で1組あたり300冊の協力をお願いし、教職員は1人につき400冊程度を分担して作業することになりました。
 私の担当するところは、主に病気の体験記や医療系のマンガなどが分類されている一般書の棚でした。私も時間を作って図書室に行き、1冊、1冊照合しながらバーコードシールとカバーフィルムを貼っていく作業をしていきました。
  作業をする中で、授業や看護に関する専門書以外の本を手に取ることが最近ないことに気づきつつ、自分が学生時代に授業で使ったり先生から勧められたりして読んだ本を見つけ、作業の手を止めて、懐かしく思い出に浸る時間もありました。
 また、マンガからは、これからの授業や実習に役立つかも!という新たな発見もありました。黙々と集中しながら作業しましたが、私にとってよい時間となりました。
  バーコードで本を管理することにより、毎日学生が交代で行っている図書当番の業務が簡単になり、また学校としても図書の管理がスムーズになりそうです。
 夏休みの明けた9月から、いよいよ運用が始まりました。もちろん、今までどおり卒業生の図書室利用もできますので、ぜひ活用してください。お待ちしています。
              令和4年9月 公立西知多看護専門学校
                      校長 鰐部 貴久美


「看護のための認識論」

今年度から新カリキュラムの運用が始まり、私は「看護のための認識論」という新しい科目を担当することになりました。
 看護師は“相手の立場に立つ”、つまり「私がこの患者さんだったら・・・」と目の前にいる人に思いを寄せ、今どんな気持ちでいるのかを感じとり、関わっていくことが必要とされています。どのように考えれば、相手の思い(認識)に近づくことができるのか、そして人の認識に働きかけるには、どんな観察や判断をし、どのように表現したらよいのかを学ぶ科目です。
 まず始めに、同じものを見たり聞いたりしても、感じること、思うことは人それぞれであること、つまり自分の認識と相手の認識が違うことに気づくゲームをしました。学生たちの反応は「へえ~そう思ったんだ!」と互いの認識の違い(自分が“普通”と思っていたことがそうではないこと)に驚いているようでした。
 そして先日は「表象(イメージ)のチカラをつけよう」をテーマに、自分の考えや思いを表現する力をつけるために、ことわざづくりに挑戦しました。お題は「公立西知多看護専門学校に入学してから感じたこと、学んだことを伝えよう」です。提出されたことわざに目を通しましたが、たくさんの力作がありました。
 次回は、作成したことわざを一覧にして、「いいね!」投票をする予定です。(そのため作品の発表は、今は控えさせていただきますね)
 実は私自身、この科目をどのように学生に伝え、教えていくのかを悩みながら準備をしています。しかし授業では、学生たちの発想豊かな反応があり、自分自身も一緒に楽しみながら学んでいます。これから徐々に「相手の認識に近づく力」について学びを深めていきます。学生とともに“相手の立場に立つ”とはどんなことなのか、一緒に考えていきたいと思います。
              令和4年10月 公立西知多看護専門学校
                      校長 鰐部 貴久美


「福祉フェスティバル」
 10月の22,23日に知多市産業まつりが開催されました。当校は例年福祉フェスティバルの各ブースのボランティアとして学生が参加しています。それに加え今年度は当校を地域の皆様に知っていただくために展示・体験ブースを出展しました。
 体験ブースでは、教材である新生児の大きさ(3000g)のあかちゃん人形の抱っこと聴診器を使って心臓の音や血圧を測定するときの音を聞く体験をしてもらうことにしました。 あかちゃん人形の抱っこでは、子どもたちが緊張しながら人形を抱っこし、おむつを替えてくれました。一緒にいるパパやママたちは、「こんなに小さかったのね」と我が子の成長を感じたり、また妊婦さんのご夫婦は、「練習したい」と言って、産まれる日を楽しみにしたりしている様子でした。高齢者の方々は、抱っこしながら自分の子どもや孫のお話をしてくださいました。どの方もあかちゃん人形を本当のあかちゃんのように大切に抱っこし、笑顔になる姿が印象的でした。
  そして2人で同時に聞くことができる教材用の2股に分かれた聴診器を使って音を聴く体験では、子どもたちが興味津々に自分の胸に当て「心臓の音、聞こえたよ!」と生き生きとした表情で教えてくれました。
 また、会場では1年生が「暮らしの理解」という授業の一環として、来場された方々に日常の生活についてお話を聞かせていただきました。この授業は、地域の方々の暮らしを知り、健康を守る看護師となるために今後の授業や実習につなげていくことを目的としています。
  今年度初めての試みであるブースの出展、そして1年生のフィールドワークを通して、より多くの地域の皆様とつながる機会となり、そしてたくさんの心温まるメッセージをいただきました。ご参加、そしてご協力いただきありがとうございました。
              令和4年11月 公立西知多看護専門学校
                      校長 鰐部 貴久美


「すてきな伝統」
 最近、卒業生たちが学校に来てくれています。出産したあかちゃんを見せに来てくれた人、春にはママになることを報告に来てくれた人、助産師の道へ進み、勉強のために図書室に来てくれた人、そして仕事休みに友だちみんなでランチをした帰りに寄ってくれた人たちなど、次々元気な顔で来てくれました。中には、クリスマスに向けて一緒にツリーを出して飾るのを手伝ってくれた人もいました。
 そして、3年生に向けて“おやつ”の差し入れもしてくれました。3年生は、およそ1年に渡る実習がもうすぐ終わり、国家試験にむけて本格的に勉強を始める時期です。そんな3年生に卒業生たちが、応援の気持ちを込めて “おやつ”を 差し入れるのが、当校の伝統のようにあります。
 卒業生のみなさんは、きっと自分たちが3年生だった時を思い出して、気を配ってくれているのだと思います。社会人になった先輩からの優しい心配りは、不安な気持ちを抱えながら国家試験の勉強をしている3年生にとってとても嬉しく、そして励みになります。このような思いが自然に引き継がれていくのが当校のすてきな伝統であると感じました。みなさん、ありがとうございました。
  国家試験まであと2か月半くらいです。そして年明けからは、1年生が初めての実習、2年生が本格的な実習に取り組みます。私たち教員もそれぞれが乗り越えられるよう環境を整え、応援していきたいと思います。
              令和4年12月 公立西知多看護専門学校
                      校長 鰐部 貴久美


「2023年の始まり」
 みなさん、新年あけましておめでとうございます。新しい1年がスタートしました。2022年は、私にとって人生の中でも大きな転機となる年になりました。4月に校長となり、教員として学生と向き合うだけでなく、組織としての学校と向き合うことの難しさを痛感した1年でした。長年にわたり勤務していた職場ではありますが、分からないことや判断に悩むことが多く、周囲の人々の大きな支えにより、何とかもうすぐ1年を迎えようとしています。心より感謝申し上げます。
 そして昨年は、制限されていた社会活動が少しずつ動き始め、以前のような日常が戻りつつあることを感じる1年となりました。本校におきましても、感染予防対策を取りながら人数制限をしないオープンキャンパスの開催や福祉フェスティバルへの参加など学校一丸となって実施することができました。 昨年末には、学生自治会主体のスポーツ大会も開催できました。このスポーツ大会を開催するにあたっては、春から延期となっており、3学年が揃う日程がなかなかなく、ようやく決定した日でした。しかしながら、新型コロナ感染症の関連により実習が中断したことで、この時期に追実習をすることになり、残念ながら参加できなくなってしまった学生もいました。スポーツ委員は、参加できなかった人の気持ちに配慮し、そして感染予防対策を意識してドッヂビー、ドッヂボール、リレーを種目として考えてくれました。楽しそうな様子を見て、3学年が揃って思い出に残る時間を共に過ごし、先輩後輩の絆が強くなったことを嬉しく思いました。
  これから1年生は初めての実習、2年生は1年間におよぶ本格的な実習、3年生は2月12日に実施される国家試験に向けて動き出します。それぞれ大きな不安を抱えている事でしょう。一人ひとりが乗り越えていけるよう私たち教職員一同、精一杯応援していきたいと思います。本年もよろしくお願いします。
              令和5年1月 公立西知多看護専門学校
                      校長 鰐部 貴久美


「体験レポート発表会」
 先日、3年生の体験レポート発表会が開催されました。3年間の実習の中で経験した心に残る出会いや人生観や死生観に影響を受けた出来事などを振り返り、今後専門職業人となっていく自分を高めるような気づきについて、それぞれエッセイとしてまとめ、発表会を通して互いに学びを深めるものです。
 実習では多くの方々との出会いがあり、その中で思いがけない患者さんの言葉や様子に、学生は戸惑ったり、悩んだりして感情が揺れることがあります。そんな時は、実習指導者からの助言を受けながら、患者さんの思いやその時の自分の関わりを振り返ることで学生は成長していきます。 3年間の集大成としてこの体験レポートをまとめることは、その出会いから時が経過し、様々な経験をして成長する中で学んだことを活かして、もう一度その時の場面を客観的に振り返る機会となります。私は授業担当者として、提出されたレポートを読み、その時どう思ったのか、感じたことを振り返り、相手の言動や自分の関わりにどんな意味があったのかを文献と照らし合わせながら自分の看護観に気づいていけるよう関わってきました。実習や国家試験の勉強と並行して、何度も何度も考えて書き直し、学びを深めていく姿から、本校が大切にしている社会人基礎力である「考え抜く力(シンキング)」の成長を感じました。
  当日の発表会では、緊張しながらも立派に自分の学びを発表することができました。私自身もそれまで何度も読んできたレポートでしたが、発表を聞きながら一人ひとりの成長を感じ、嬉しく思いました。そして3年生全体で学びの共有ができたことにより、さらなる成長へと繋がったことでしょう。
  あと少しで、国家試験です。学内では朝早くから自己学習に登校する学生が増えてきました。その姿に後輩たちも刺激を受けているようです。学校全体で応援しています。がんばれ!3年生。

              令和5年2月 公立西知多看護専門学校
                      校長 鰐部 貴久美



「3年生最後の技術試験」
 先日、3年生が卒業を目指し、最後の技術試験に臨みました。この試験は、3年間の集大成として毎年行われています。主に点滴をした患者さんの身体拭き、おむつや寝間着の交換などを寝たままの状態で実施する内容です。それぞれの技術に関しては、1、2年生の授業で学び、実習でそのような患者様を受け持った時には経験しているものです。ところが、特にこの数年は新型コロナ感染症の影響で実習での実践経験が少なくなっており、入職時に不安を抱える新人看護師が多いと聞きます。
  3年生最後の技術試験では、試験の直前にそれぞれの学生へ担当患者の病気やその時の状態などの設定が伝えられるため、その患者さんの状態や点滴を意識しながら、「患者さんにとって気持ちの良い、安全なケア」を実施することがポイントとなります。また、試験中に試験官の教員から患者役の学生へ今の思いや家族の話などの「ミッション」が出されます。それを受けた患者からの話にも丁寧に対応していく必要があります。学生たちが入職後「このケアはできます」と自信をもって言えるようなレベルを目指して、教員たちも厳しい視点で評価し、試験後には熟練した技術を伝えられるよう助言していきます。
  技術試験の当日は、緊張のあまり思うように練習の成果を出せなかった人学生もいました。合格点まで届かなかった学生たちは、厳しい評価を素直に受け入れ、「できるまで頑張ります」と、次の試験に向けて練習を続けていました。宣誓式で誓った「前向きに成長し続ける看護師を目指す」という9回生らしい姿を見ることができ、嬉しく思いました。社会人になってからも、この姿勢をもち続け、成長していくことを願っています。

              令和5年3月 公立西知多看護専門学校
                      校長 鰐部 貴久美