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校長談話履歴Principal Statement

解剖学

 看護学生は入学式が終わると間もなく、解剖生理学の授業が始まります。
解剖学というと、はらわたが飛び出したり、心臓を切り刻んだりと、おぞましい学問のように思えますが、大半の看護学校では、看護学生が実際の解剖を見学することはありませんし、ましてや死体を解剖するなんてことはありません。正常な人間の身体の構造を知る学問だと言い直せば、恐ろしさは消えていきます。
例えば心臓は、左心房、左心室、右心房、右心室の4つの部屋があり心房と心室が房室弁という弁でしきられているとか、右心室から肺動脈が、左心室から大動脈が出て、その間にそれぞれ弁がある。ということを教えていきます。どうですか、ここまで読んだだけでも嫌になってくるでしょう?もちろん看護師は身体の構造を知っておかなければいけないことを納得できても、これではもう5月くらいから授業中に寝てしまいそうですね。
先ほど解剖生理学と書いたように、単調な解剖学に化学調味料のように味付けするのが生理学です。例えば、先ほどの心臓で言えば、どうして心臓が自動的に動くのか、なぜ好きな人の前では脈拍が多くなるのかなどを解き明かしていきます。死んでいる(?)解剖学に生命を吹き込むわけです。
基礎医学3科目といって、これにもうひとつ生化学が加わってきますが、高校時代に化学を履修していないとこの生化学には随分悩まされるそうです。しかも、生化学は高校時代になんとかついていけた金属だとか、硫酸や苛性ソーダのような無機化学ではなく、いきなり有機化学に入るので厄介です。
その点、解剖学や生理学は高校時代に必ずしも生物を履修していなくても、すんなり入っていけるので、身体のことはよくマスコミでとりあげているからでしょうか。この続きは次回に。


平成25年5月 知多市立看護専門学校
校長 早 川 英 男

病理学など

 さて、前回は看護師になるためには、解剖学と生理学を勉強するんだと話しましたね。この解剖生理学はあくまでも、正常な、病気でない人の話です。理科の一分野と考えていいわけです。正常な人の話ばかりですと、そのうち学生が興味を失っていくので、私は正常を教える解剖生理学で病気の話も交えます。
前回の心臓の話ですと、房室弁が病気になるといわゆる心臓弁膜症になって心臓が肥大してきて手術が必要になるんですよ……、などと。でも本来は解剖生理学は正常な人について学ぶのです。
そこで次に勉強するのが病理学です。これらいろいろな臓器がどんな病気になっていくのか、例えば肝臓ではウィルスで炎症を起こすのも病気なら、肝臓に癌ができるのもまた別の病気です。生まれつき胆汁がうまく排泄できない先天性の病気もあります。解剖学や生理学で学んだ臓器が病気になっていく様子をを学ぶのです。だから肝臓について言えば、正常と病気という形で二度勉強するわけです。
ところが、ここで終わりというわけにはいきません。ここまででは、病気としてはわかっても、どのように診断され治療されていくのかがわからないからです。そこでさらに「疾病の理解」という授業があって三回目の肝臓の講義があるのです。医者になるのならここまでいいわけですが、(もちろん医師の場合はとことん細かいことを学んでいくので授業時間は非常に多いのですが)看護師になるにはさらに成人看護学などといって肝臓の病気をもった人をどのように看護していくかという講義が始まるのです。
これで一つの臓器を四回学ぶわけですね。さらに、いままでの勉強では机上の勉強ですので、今度は実際の患者さんを前にして看護の実際をさせていただくわけです。いわゆる臨床実地実習です。こんなふうに何度も何度も勉強して看護師になっていくわけです。ずいぶん大変ですね。


平成25年7月 知多市立看護専門学校
校長 早 川 英 男

夏のオリオン座

 私は60台半ばの老人ですが、これでも若いころはあったわけで、45年ほど前、昭和40年代に、東京で大学生をしていました。
そのころの夏休みは、大学生でも小学生と同じ7月下旬から8月31日までで、7月下旬になると喜び勇んで重い教科書をかばんに詰め、しっかり勉強するんだと知多市の実家へ帰省しました。
小学生のころは、夏休みは無限の長さに感じられたのですが、大学生ともなると夏休みにも限りがあることがわかっています。高校野球の決勝戦が近づいてくるとそろそろ夏休みも終わりです。時間はたっぷりあると思っていたのですが、勉強もはかどらず、さらには生活が徐々に夜型に変わっていきます。
夏休みもそろそろ終わりの8月27、28日ごろは、また東京へ戻って、一人のさみしい生活に戻るのかと思うとうんざりです。しかも夜はあまり眠られません。ラジオの深夜放送に慰められ、明け方近くまで起きているわけです。そんな日の午前4時ごろ、ベランダに出て、空を見上げたのです。夏休みの始まったころは、午前4時はもう明け方で明るくなり始めていたのですが、8月末ともなれば空は夜空です。そんな時ふと東の空を見たのです。何とオリオン座が東の空に昇っています。オリオン座というのは冬の代表的な星座ですよ。打ちのめされてしまいました。20歳になったばかりの私に、もう冬が密かに迫ってきているのです。
人生って長いようで短いのです。看護を学ぼうとしているあなたたちにも、もうオリオン座が顔を出しているのですよ。


平成25年8月 知多市立看護専門学校
校長 早 川 英 男

和顔愛語

「和顔愛語」と書いて、「わげんあいご」と読みます。「大無量寿経」というお経に書いてあるとのことです。もちろん私はこのお経を読んだことはありません。この言葉は看護師を目指している人だけでなく、いい人間になりたい人はじっくり味わってみたい言葉です。意味としては、「やさしい顔つきをし、やさしい言葉をかける」ということのようです。看護師だけでなく、人間としても善人のような気がします。
しかし、ここでよーく考えてください。看護師で、やさしい顔をする人はたくさんいます。しかし、その大部分は「私は患者さんを看護してあげるんだ」(一見謙譲語のようですがそうではありません;犬にエサをあげると同じ使い方です。)と上から目線の看護師さんが随分いるように思えます。そのようなやさしい顔でなく、心底やさしい顔でなければなりません。みなさんたちも初対面の人を考えてみてください。何かこの人は苦手だなと思える人がほとんどでしょう?初対面なのに、なぜかこの人は『楽勝』だと思えるひとがたまにいるでしょう?この『楽勝』の人が「和顔」のひとなのです。こちらがどんなことを言おうと、しようと、困った顔はするものの、結果としてまかせておける、いやな顔ひとつしないそんな顔の人です。
次に「愛語」です。最近は、教育のせいとは思いますが、自分の考えを積極的に主張する人が誉めたたえられます。看護の世界でも「アサーティブ」な看護といって、正しいと思ったらとことんそれを主張する看護態度がもてはやされています。だから、その態度で患者さんを教育指導しようとするのです。あなたたちでも、身体をこわした時に母親から、日ごろの生活態度が悪いとか、好き嫌いで食べたりするからなどと言われたら嫌でしょう?それよりも「おなかが痛いの?大丈夫?」と言ってくれる母親の方がいいでしょう?これが「愛語」なのです。現代では何か一言風刺をしないといけないみたいに、有○××のような人がテレビで人気がでていますが、あなた方は決してあの人のまねをしないでほしいですね。 


平成25年10月 知多市立看護専門学校
校長 早 川 英 男

「天命」(1)

 文筆家、五木寛之氏の作品に『天命』という作品があります。(文庫本で出ています)。その中の、“祈りと死”という項に、悪性の病気になって、毎晩病室から東京タワーを見ては泣いている若い女性の話があります。五木氏の文章をそのまま、書き写すと著作権のからみも出てくるでしょうから、ここからは私の脚色です。
 この女性に、なぜ泣いているのかと尋ねたのです。「死ぬのが怖くないわけではないのですが、今こうして私が治療をうけて抗癌剤の副作用で苦しんでいる時に、あの東京タワーでは、恋人どうしで愛を語ったり、家族で楽しく食事をしたりしている。なぜ私だけが苦しまなければいけないのか、それが理不尽に思えるのです。」
 さあ、あなたならこの女性に何と言ってあげますか。
 これ以降は、ますます私のコメントです。
 西洋の宗教なら、「これは神があなたに与えた試練だから、耐えなければいけないよ。」と言うでしょうね。私はこんなのはまっぴらごめんです。西洋の宗教は苦しめば苦しむほど神に愛されているという発想のようです。
 東洋の宗教なら、「どんなに苦しんでいる人でも最後は阿弥陀様が極楽へ導いてくれますよ。」と言うでしょうね。でもこれも何かピントがずれていますね。どちらも宗教というのは健康人の発想のようです。
 片や、科学(医学?医学は本当に科学なのだろうか?)万能主義の考えもありますね。
 「今の医学を信じなさい。この苦しみに耐えれば、きっと病気もなおって、みんなと楽しく暮らせるようになりますよ。その日を信じてがんばりましょう。」これが本当ならば、今どきの通販のサプリメントをこまめに服用(おっと服用と書いてはいけない、服用は薬であって、あれは食品(健康?食品)だから)、もとい食べていれば、日本人の平均寿命はいつか百歳も超えて無限に長生きできるでしょうね。実は、抗癌剤だってその大半は副作用の方が多く、あまり有効なものはないようです。この医学万能主義は製薬会社の回しものかと疑ってしまいます。

 さあ、この女性に何と言ってあげたらいいか、あるいはどうしてあげたらいいか、一度あなたなりに考えてみてはいかがでしょう。五木氏がどういう答えを出しているか、早く知りたければぜひ『天命』という本を買って読んで下さい。自分で考えてみるのもいいですよ。


平成25年12月 知多市立看護専門学校
校長 早 川 英 男

「天命」(2)

 さて、前回の続きです。抗癌剤で嘔吐を繰り返しながら、なぜ自分だけが苦しまなければいけないかと、悲しんでいる状況です。
 今の看護学では、こういった人の心のケア(私はこの“ケア”という語は好きではありません、なぜ心の看護と言えないのでしょうか)には、反復法といって患者さんの訴えたことを繰り返すことによって、患者さんの気持ちが落ち着くという方法もあるようです。
 例えば、「看護婦さん、この抗癌剤の苦しみが耐えられないのです」といえば、「抗癌剤の苦しみが耐えられないのですね」と返し、「もう、自分の人生が終わってしまうということが非常に恐ろしいのです」と言えば、「自分の人生が終わってしまうということが怖いのですね」と繰り返すのだそうです。そうすれば患者さんとコミュニケーションがとりやすくなり、慰めにもなるというのです。今は看護理論も少しは進歩してこんな看護婦さんばかりとは思えないのですが、基本的には看護婦の立場(どういうふうに業務をこなすか)から語られてばかりいるような気がするのです。
 このようなオウム返しでいいのなら、私は助からない病気になったら、すぐにでも鸚鵡(オウム)を一匹飼いますね。
 ここまで述べてきたように、いわゆる終末期医療に対しては、科学も宗教も看護学もあまり役に立っているとは思えません。
 それでは、五木さんはどう言っているのでしょう。
 結論を言えば、その少女に向かっていう言葉など実はないのかもしれません。そして、何も言わず手を握りともに悲しみ、思わず涙をこぼす、そのことで少女がつかの間の安心が得られたとしたら、それは素晴らしいことだと言っています。
 ぜひ、時間があったら、五木寛之著『天命』を読んでみてください。

 さて、今回で早川校長の担当は終了します。一年間、私の駄文につきあってくださってありがとうございました。4月からは新しい校長がこのコーナーを引き継いでくれることになっていますのでご期待ください。わずかでも看護に興味を持ってくださってありがとうございました。


平成26年3月 知多市立看護専門学校
校長 早 川 英 男

新しい歴史の幕開け

平成26年4月より公立西知多看護専門学校として新しい歴史を刻み始めています。昭和62年に開設されたときから、今に至るまで校名が変わろうとも諸先輩方が築いてきてくださった歴史を大切にしていきたいと思っています。
私は、4月より校長になりました。実は、昨年、初めて看護学校に来て、やっと1年経ったばかりです。それまでは、ずっと臨床現場で働き、そのうちの10年ほどは病院内の看護教育全般が主な仕事でした。多くの新人看護師を含む看護師に出会い、様々なことを教えてもらいました。その経験が今の仕事に大変役立っていると思っています。臨床現場と教育現場をつなぐことができる仕事をしていきたいと思っています。
この校長談話は、毎月更新を目標にしていきます。その時々に学校で起こった事件(!?)や行事などについてお知らせしつつ、当校の魅力が伝わるように心がけていきたいと思っています。
新しい歴史の幕開けを迎えた今、このような立場でお仕事をさせていただくことに感謝しつつ、気持ちを引き締めて学生、教職員とともに頑張りたいと思います。

平成26年4月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子

宣誓という儀式、同じ目標に向かって…

公立西知多看護専門学校として初めての宣誓式を5月7日に終えました。2回生27名の方が宣誓されました。
誓いのことばは、次のようなものでした。このことばは毎年宣誓者が考えています。ですから、少しずつその学年のカラーがでるようです。

 「私たち27名は、本日宣誓式を迎え、広く社会に貢献する看護師を目  指して次のことを誓います。
 一、確実な知識と技術を養い、思いやりのある看護師になることを誓い   ます。
 一、人と人との関わりを重んじ、協調性のある看護師になることを誓い   ます。
 一、生命の尊さを知り、責任感と判断力を持ち、誠実に看護を探求し続   けることを誓います。

27名が声を揃えて、堂々と宣誓する姿は感動的でした。
誓いのことばにあるひとつひとつの言葉が非常に奥深いものであり、実習や学内での学びを通してその奥深さが実感できるように、誠実に看護を探求していってほしいと式辞でお話をさせていただきました。
宣誓式の後には自治会主催の祝賀会がありました。宣誓者ひとりひとりの思いが語られ、3年生はあたたかく、1年生は憧れのまなざしで見つめ、話を聞いていました。
2年生はこの宣誓式の後、5月13日より老人保健施設での老年看護学実習が始まっています。人生の先輩である高齢者との関わりを通して、様々な学びを深めてくれると思います。
3年生は八事病院で精神看護学実習をさせていただいています。精神に障害をもつ方と接することで、自分自身の看護者・看護学生としての在り様を見つめなおす機会にもなると思います。
1年生は学内で様々な講義を受け、空き時間には積極的に実習室でシーツ交換の練習をしています。今の努力の成果が技術試験でみられると期待しています。
学年は違えども、目標は皆同じ、つまり同志です。支え合い、助け合いながら、新しい学校の歴史を創っていっていただきたいと思います。


平成26年5月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子

初めての新入生春合宿、そして3年生各論実習再開!

5月30日、31日に新入生対象春合宿を行いました。2年生、3年生の中には私たち、僕たちもやりたかった!行きたい!という人もいました。うらやましいと思われた1年生30名が2日間過ごしての感想をアンケートに書いてくれました。その中のいくつかを紹介いたします。
「とてもハードな2日間でしたが、確実にクラスの仲が深まったと思います」
「2日間、楽しくみんなで過ごせました。でも少し日程が詰まりすぎていてハードでした」
「代休が欲しい!」…という意見も何名かからありました。
担当担当教員3名も初めての取り組みでしたので、意気込みもあり、日程がハードになってしまったなぁと反省しております。(春合宿の様子はイベント案内のページをご覧ください)
しかし、合宿が終わった翌週の月曜日、ある非常勤の先生から「何だかクラスが明るくなった感じ。質問も出てきたし…」というお褒めの言葉をいただきました。
今回の合宿の目的は「3年間の学びを始める時期に、学生便覧を中心に学ぶ姿勢、具体的な学習方法を確認するとともに学ぶ仲間としてクラスメートとの親交を深め、様々な課題に協力して取り組んでいくことのできるチーム力を高める」というものでした。ですから、前述した先生からの言葉は担当した教員にとって大変うれしいものだったのです。今回の反省を踏まえ、来年度は更にバージョンアップして臨みたいと思っています。
そして、2年生は基礎看護学実習2に向けて学内での学びを深めているところです。3年生は6月3日から各論実習3クール目に突入しました。新しい実習先で緊張しながらも学びを続ける姿勢は微笑ましく、誇らしく思います。


平成26年6月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子


笑いヨガ

6月の最初の土日に私と教務主任の2人で笑いヨガリーダー養成講座に参加してきました。笑いヨガとは、だれにでもできる健康体操です。笑いの体操とヨガの呼吸法を合わせているので『笑いヨガ』と言います。インド人の医師であるマダン・カタリアが5人から始めたものが今では世界70か国以上に拡がっています。
私が大学生のころ、臨床場面での笑いの効果について研究を行いました。それは笑いが免疫力をあげるという書籍に出会ったことがきっかけでした。私自身は臨床現場で患者さんの笑顔を見ることが大好きで、そのためにいろいろなことを考えていました。ですから、そのころはユーモアが大切とも考えていました。
しかし、笑いヨガは体操ですからユーモアは必要ありません。体操として笑っても、おかしさを感じて笑っても、身体は区別ができないので同じ効果があるという科学的根拠があるそうです。
そして、先日3年生の体育の時間に笑いヨガを実践させていただきました。学生たちは照れながらも、素晴らしい笑顔をみせてくれました。実習の合間のほんのひと時でしたが、リラックスして楽しい時間が過ごせたかなと思っています。その後も校内で会う学生たちは私の顔を見るたびに笑いますが、その笑顔もまた私を元気にしてくれます。
看護学校での勉強はとても大変です。それでも、笑顔あふれる学校になるといいなぁと思っています。

ホッホッ! ハ・ハ・ハ! イェーイ!!

平成26年7月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子

カリキュラム会議

今年度より公立西知多看護専門学校として生まれ変わった我が校は現在、教育理念から教育目標、そしてそれに基づいた教育内容・教育方法を見直そうということで教員全員で話し合いをすすめています。
話し合いの過程において、それぞれの教員の学生に対する思い、看護に対する思いがあふれ、立ち止まったり、進んだりの繰り返しの中、お互いの理解が深まっているように感じます。常日頃は日々の授業準備や実習指導などに追われ、なかなかじっくりと腰を落ち着けて話し合うことは難しく、今回のような時間をとることは非常に大切なことだと実感しています。
今までの伝統を大切にしつつ、新しい学校として、特色ある部分を出していきたいと考えています。卒業生と関わる多くの方に「公立西知多看護専門学校の卒業生は…」と、いい意味で語っていただけるような教育を実践したいと思っています。
私自身は自分の担当する科目において、TBL(Team-Based Learning)という学習方法を現在取り入れています。チーム基盤型学習というものです。最終的にチーム課題としてディベートを行ったのですが、その学びは非常に大きかったと感じました。各チームは本当によく調べ、自分たちの考えをまとめ、人に伝える方法を考えることができました。本来なら行わないであろう聴衆からの質問もでるような、とても楽しく刺激的な時間を過ごすことができました。私は学生の持っている力のすごさを感じ、本当に嬉しく思いました。学生の持っている力を信じ、それを最大限に引き出すようにこれからも関わっていこうと思える体験でした。
今年度は、それぞれの教員が少しずつ新しい取り組みにチャレンジしています。今話し合っているカリキュラムの見直しが終わり、実際に取り組んでいる新しい取り組みの反省点を活かし、来年度は更にオリジナリティに富んだ、当校ならではの看護教育が実践できることをめざしたいと思います。



平成26年8月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子

夏休み

看護学校といえども、夏休みはあるよね…と思いきや、期間は小中高校よりも短い上に、宿題や技術の練習、国家試験の勉強、実習の事前学習などなど、課題は本当にたくさんあります。そのため、学生は忙しい毎日を過ごしていました。夏休み後半のこと、校長室のドアのホワイトボードの私へのメッセージ欄に「課題が終わりませ~ん」という悲痛な訴えが書かれていました。昨年度も同じような訴え(!?)があったのですが、その後の実習や学内演習のことを考えると大幅な削減は難しいという実情のようです。
大変な夏休みも過ぎてしまえば、いい思い出になると確信しています。そして、その大変さを乗り越えることができた経験は宝物になると思います。楽しかった記憶よりも大変だった記憶は残り、その大変さを経験したこと、乗り越えたことを誇りに思って語る…ということは本当によくあると思います。私自身、臨床で共に働いた仲間と会うと、必ずと言っていいほど、「あの時はスタッフが少なくて大変だったけど、みんなで頑張ったよね。」と語ることが多いからです。ただ単に辛い、大変というだけでなく、その後に生かされる辛さ、大変さであるように、常に見直し、必要な修正を繰り返し、学生への関わり方も考えていきたいと思っています。
さて、話題はがらっと変わりますが、今年度に入って地元の印刷会社ユーズさんのご厚意により(社長さんが私の出身高校の先輩であったこともあり)当校のイメージキャラクターをデザインしていただきました。複数のデザインから学生が選び、学生が命名しました。“フローレンスウメコ”といいます。知多市の梅に集うウグイスをモチーフに看護学生をイメージしたデザインになっています。フローレンスはフローレンス・ナイチンゲールのフローレンスです。とてもかわいいデザインで、この“フローレンスウメコ”と共に学校を盛り上げていきたいと考えています。

フローレンス ウメコです。 よろしくね。



平成26年9月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子


それぞれの秋

10月になりました。8月にお伝えしたカリキュラム会議は大詰めを迎え、最近は本当にお尻に火がついた状況だと自覚しております。しかし、話し合えば話し合うほど、より良い考えが浮かび、今現在で考えうる、成しうる最善のカリキュラムを考えられていると自負もしています。来年度1年生からこのカリキュラムを動かすことになります。そのための準備として12月までには、「課程変更申請」を行うことになります。このカリキュラムで学習した学生がどのような成長を見せてくれるのか、とても楽しみです。今の在校生にも新しいカリキュラムの良いところが波及することも考えていきたいと思っています。
さて、学生たちは…といいますと、1年生は初めての看護過程展開の演習を始めています。学生時代のみならず、看護師になった後もずっと基盤になる考え方がここで養われます。2年生は、先日知多警察署からの要請でシートベルト着用を勧める街頭活動を行いました。(様子はイベント案内よりご覧ください)この地域にある学校として、このような地域貢献は続けていきたいと思っています。3年生は、いよいよ各論実習6クール目に入りました。各論実習も終わりが見えてきました。国家試験の勉強も並行して行いながら、日々臨地での学びを深めている様子は、本当に頼もしく思います。
看護学生は3年間の学びのプロセスで「人間」や「人間関係」についての観察の仕方やその解釈がどのように変化していくのでしょうか?私は昨年度から、学校に来て学生の成長がどのようなきっかけで、どのように促されるのかについてとても興味を持つようになりました。今年度は、カリキュラム変更に追われましたが、来年度は何か研究に取り組んでみようかなと考えています。「学び続ける姿勢」を学生に期待するからには、自らモデルになれるように自己研鑽したいと思います。





平成26年10月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子



看護研究

先月から看護学概論の中で「論文抄読会」を始めています。昨年度まではケーススタディと言われる雑誌投稿された学生の事例研究論文を1篇選択し、それを全員で読んでいました。しかし、今年度より私もメンバーに加わり、日本看護学会論文集の中から介入研究を4篇選択し、4グループに分かれて読み込むことにしました。読み込んだ結果を皆で話し合い、最終的にはグループごとに発表して学びを共有するという流れです。
実は、私は病院勤務時代、10年ほど看護研究の指導をしておりました。夜勤明けや休みのナースに研究指導をすることが多く、話しているうちに寝ぼけ眼で睡魔に襲われている彼女・彼らに対して、ひどい仕打ちをしているような気持ちになったものです。指導している私が「こんな思いまでして看護研究を現場のスタッフがやらなくてはいけないのか?」「こんなことをして意味があるのだろうか?」と何度も思いました。しかし、研究を終え、院外で発表したり、認定看護師の教育課程に進んだナースからは「あの時の学びが大変役に立った」「達成感があった」という言葉も聞かれました。そんな言葉を聞くたびに「私のやっていることも無意味ではないかも…」と思っていました。しかし、臨床の場で研究をするということの過酷さも実感し、専門職として研究を続ける必要性を自覚しつつもどのような取り組み方が適しているのか、答えが出せないままでした。
そんな経験をもつ私が看護専門学校で看護研究について担当することになったとき、「自らが研究する」という段階まで至らなくとも、「研究結果を活用する」ことができる段階までは育てたいと思うようになりました。
2年生の学生と学びを深めている段階ですが、皆、とてもよい気づきをもち、自由に語り、学びを深めている姿をみると本当に嬉しくなります。「あ、そういうことだったんだぁ、気づかなかったぁ」と目をキラキラさせている姿は、元気を与えてくれます。彼女、彼らが看護師になったときに先輩方の行った研究を批判的に読み、活用することができるようになり、いつか自分も研究してみたい!と思ってくれるようになることを夢見ています。どうせやるなら、楽しく!前向きに!と何事にもそんなスピリットで臨める卒業生を送り出したいと思っています。


平成26年11月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子

議会、予算査定、監査

私は今年度より校長になり、議会や予算査定、監査などに参加するようになりました。組合管理者である東海市長さん、副管理者である知多市長さん、両市の副市長さんには大変お世話になり、いろいろなことを教えていただきながら、日々仕事をすすめています。これは、病院勤務時代にはなかったことで様々な発見があります。今回は、そのことについてお話ししたいと思います。
まずは、“形式美”についてです。発言をする際には挙手し、「議長、看護専門学校長」と名乗り、「看護専門学校長」と指名を受けてから発言します。今まで参加した会議では、このようなことは経験したことがなく、規律性を感じ、緊張感をもつ瞬間です。内容が充実していれば、形式にこだわらなくてもよいとずっと思ってきましたが、会議の流れを作り、他者からみてその流れが理解できるということの意義も実感しています。
次に、予算の重要性です。病院勤務時代には、恥ずかしいことに、今ほど予算について重要視していなかった自分がいます。事務部門が予算を策定し、それに基づいて事業を行うものの、年度途中であろうが必要なものは購入することが可能でありましたし、必要だと思う研修には積極的にスタッフに参加を促していました。随分、事務の方にご迷惑をおかけしていたと今更ながらに反省しております。現在は、その時とは異なり、何事も計画的に必要なものは予算上にあげていく…そんな当たり前のことを粛々と行うようにと心がけています。とはいえ、学校運営上、予想だにしなかったことが起こることもあります。そんな時は、学校運営委員会の場などを利用して副管理者をはじめとする委員さんに相談させていただき、その対応策を練ることもあります。お陰様で、地域に貢献できる看護師を育てることを目的とする我が校への理解は篤く、大変感謝しております。
最後に議員さんの存在です。学校運営への監査的な役割から、その在り方についてのアドバイザー的な役割まで非常に多くのサポートをいただいております。「頑張ってね」と声をかけていただくことで、元気づけられることもしばしばです。
看護師でありながら、現在は学校運営上の管理者として、様々な役割を担う中で「学生にとってより良い学習環境を目指す」ことを第一に、そのためにも「教職員にとってより良い職場環境を目指す」ことも念頭に日々努力していきたいと思います。



平成26年12月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子

新しい年の始まり

皆様、新年あけましておめでとうございます。昨年、年女であったため、また新しい12年をどのように刻もうかと考えているところであります。縁あって、看護学校で勤務することになり、再び今までとは異なる方向から『看護』を見つめなおしている状況で学生と共に学び、育っていけるように…と思っています。
さて、「今年はどんな年にしたいのか」、ということについて考えてみますと、やはり昨年までと同様、学生や教職員にとって居心地の良い、刺激のある学校を目指していきたいという思いに行きつきます。
今年は特にアクティブラーニングという考えを根幹に、学生が自ら考え、学ぶことができるような教授方法を追求していきたいと考えています。看護専門学校は、看護師養成所指定規則に基づいて運営されており、3年間で3000時間以上の授業あるいは実習時間が必要とされています。何を学んでほしいのか、何を習得してほしいのか、どんな気づきをしてほしいのか…そんなことを考えながら、教える内容を吟味して時には思い切りよく切り捨てることも必要だと思っています。なぜならば、学習の仕方、学習したいという動機づけができれば、学生たちは自ら学習する力を持っていると思うからです。そして、共に学ぶ仲間としてチームワークを考えて行動することができること、このことも医療人として働く上での基盤として重要であると考えます。このような観点からも、TBL(Team Based Learning)、グループワークなどを取り入れ、自分の意見を相手に伝える、人の話を聞く、皆で新しい考えを創造していく…そんな経験を学生時代にたくさんしてもらいたいと思います。
学生が笑い、涙し、時には激論を闘わせ、キラキラと輝く瞳をもって学生生活を送ることができるように、新年にあたり、夢を大きく膨らませ、教職員一同協力し、頑張っていこうと思います。



平成27年1月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子


看護師としての思い出~Part1~

私が看護師として働きだしたのは、今から25年以上前になります。T市民病院の循環器内科・血液内科病棟で、看護師としての一歩を踏み出しました。短期大学出身の私は実習経験も少なく、ほとんどのことができない状態でした。その頃、病棟には難病で人工呼吸器を装着した若い患者さんのAさんが入院されていました。ある日、Aさんの部屋からナースコールが鳴り、訪室すると「痰をとってほしい」ということでした。私が「わかりました」と言って準備を始めるとAさんは露骨に嫌そうな表情をされました。私は心の中で「私だってやりたくない!」と思いながら痰を吸引しました。案の定、うまくとることができず退室した後、しばらくするとまたナースコールがなりました。先輩が気をきかせて「私が行くわ」といってさっと動かれました。
私は、痰をとることがきらいでした。苦しい表情をみるのが嫌だったからです。苦しい上に下手な私がやったら更に苦しい…ついついナースコールへの反応が遅くなってしまう自分がいました。そんなことを先輩に話した時に言われたことが今でもとても記憶に残っています。「苦しい処置だとしても、それをしなかったらAさんは痰が詰まってしまって、もっと苦しくなるか、命に関わることもあるんだよ。どうやったら少しでも楽に、しっかりと痰をとることができるのか、それを考えることの方が重要だよ。」看護師としての私が初めて自分の愚かさを実感した出来事でした。その後も、しばらくAさんには嫌な顔をされていましたが、徐々に普通に受け入れてくださるようになりました。
看護師としての思い出シリーズ(何回続くか???)の初回に、大変恥ずかしいお話をしましたが、今でもこの経験は自分自身を戒めるものになっています。目先のことから逃げるのではなく、物事の本質を考えて行動すること、患者さんにとって嫌な事でもやらなくてはいけないことはきちんと説明して実施すること、嫌なことはなるべく嫌になる状態が少ないように知識を深め、技術を磨くこと…などなどです。『本当の優しさとは何か?』ということを考える機会にもなりました。患者さんを学生に置き換えると今もこの時の学びが活きていると思います。
看護は自分自身も成長させてくれる職業だと思います。私自身の経験とそこから得た学びをこれからも少しずつ紹介していきたいと思います。

平成27年2月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子

いよいよ年度末

病院勤務の頃から同じですが、年度末の忙しい時期になってきました。入学試験や国家試験も終わり、もうすぐ卒業式です。並行して入学式の準備や新年度の準備に追われる毎日です。しかし、大変だなぁと思う一方で、新しい学生を迎える喜び、特に来年度から新しいカリキュラムの運用を開始するので、そのワクワク感もあります。
そして、卒業生を送り出す寂しさと喜び、これは学校ならではのことだと思っています。本当に彼らは頑張りました。3年間、たくさんの講義、実習、それに伴う課題、自治会活動、様々な行事、いろいろなことを乗り越え、卒業するわけです。看護師になりたいと思って、入学したものの辛くてくじけそうになったこともあったでしょう。しかし、皆で助け合い、時には喧嘩をしながらも卒業を迎えるのです。当たり前のことかもしれませんが、私は誉めてあげたいです。それぞれの学び、それぞれの成長、それぞれの看護への思い…一人ずつ大切に抱えながら新しい道を歩み、看護学校で学んだ経験を誇りにしてほしいと思います。そして母校を愛し、迷ったり、苦しんだり、嬉しかったり…そんなときには、是非学校に来てお話を聞かせてください。
私たち教職員は、これからも、卒業生に愛され、誇りに思ってもらえるような学校であるように努力を重ねていきたいと思います。
さて新入生の皆さん、今は入学前の勉強に励まれていると思います。これからの3年間は、とにかくあっという間です。毎日毎日の積み重ねが3年後の自分をつくります。今は、毎日勉強する習慣と規則正しい生活、そして体力をつけること、この3つのことを是非とも実践していただきたいと思います。この3つのことは3年間を有意義に過ごすために大切なことです。新しく2年生、3年生になる先輩と教職員一同皆さんに逢えることを楽しみにお待ちしています。



平成27年3月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子

3年目の春

私が当校に来てから3年目の春を迎えました。2年前、私が学校に来た時に入学した学生も3年生になります。いろいろなことがありました。
この3月末に、第1回生が国家試験全員合格という結果を受け、飛び上がるほど嬉しかったことが最近の大きな出来事です。学校名が変わり、初めての卒業生であり、大きなプレッシャーの中、本当によく頑張ってくれました。
そして、ほぼ2年をかけて検討してきた新しいカリキュラムが今年度より始動します。新しいカリキュラムの柱は「社会人基礎力」「倫理」です。社会人基礎力、倫理観を高めるために、グループワークやTBL(Team-Based Learning)などの方法を用いたアクティブラーニングを積極的に取り入れていきます。
自ら考え、行動し、チームの仲間と協働できる、そんな看護師を育てたいと強く思います。まずは、昨年度から始めた新入生対象の春合宿で、これから3年間共に学ぶ仲間と親交を深め、学ぶ姿勢をつくっていきたいと思います。こんな決意表明をこの1年で何度もしたなぁと今更ながらに振り返っています。
さて、話は変わり、昨年度の卒業式について報告があります。公立西知多看護専門学校として初めての卒業式で、校長表彰(当校のイメージキャラクター名からフローレンス・ウメコ賞と命名)を実行しました。学業成績優秀で学校生活においても他の模範となった学生1名を表彰しました。写真はペナントをつけて代々引き継ぐトロフィーですが、受賞者には氏名を刻印した同型のちょっと小さめのトロフィーと賞状を授与しました。サプライズで行ったため、卒業生、在校生、そして何より表彰される本人が一番驚いていたようでした。在校生にとって目標となる賞になることを期待しています。



平成27年4月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子



看護師としての思い出~Part2~

私には、忘れられない患者さんがたくさんいます。新人の頃に関わった患者さんは既に亡くなられている方が多いと思うのですが、今でもフルネームと、その表情までも思い出すことができます。今日は、その中のおひとり、Nさん(70代男性)について紹介したいと思います。
Nさんは、いわゆる『ベテラン』の患者さんでした。糖尿病を患い、何度も入退院を繰り返していました。新人の私はたくさんのことをNさんに教えていただきました。慣れない採血でも、「できるまでやれ!」と励ましてくださるような方でした。
ある日のこと、私は先輩に強く注意を受けました。その頃の私は、新人とはいえ、ナースステーションから出るときには、患者さんに落ち込んでいることを悟られないように、大きく深呼吸をして気持ちを整えるようにしていました。もちろん、そのときも大きく深呼吸をして、ナースステーションを出ました。そして、Nさんの部屋に行ったところ、「ちょっと散歩でもしようかな」と言われ、すっと立たれました。検温をしたいと思っていた私は、慌てて追いかけると長い廊下の一番端にある3人掛け程度のソファーに腰掛け、自分の隣を人差し指でちょいちょいと指さしました。私が、隣に座ると「あの先輩に怒られたんだろう。言い方がきついからなぁ。」とそっと言われました。私は我慢していた涙がこぼれそうになりました。どうしてわかったんだろう?と思うと同時にきっと自分では入れ替えたつもりの気持ちが表情にしっかり出ていたんだろうなぁと反省しました。そして、患者さんは、看護師の表情をとてもよく観察していること、『ベテラン』の患者さんは看護師の性格までも把握していることに驚きました。その後、Nさんの検温をして、たわいもない会話をしている頃には気持ちが楽になっていました。
看護師が患者さんに○○してあげる…という表現をよく耳にしますが、私は「あげる」という表現を避けるようにしています。患者さんは、しばしば「私はこんな風になってしまって、もう何の役にも立たない。あなたたちにも迷惑ばかりかけて…」と言われます。しかし、私は多くの患者さんと接して、本当に多くのことを教えていただき、時には癒していただき、励ましていただき、支えていただきました。だからこそ、「あげる」のではなく、「させていただく」という気持ちでありたいと思っています。



平成27年5月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子


「マネジメント」

いよいよ4月から新しいカリキュラムが動き出し、新しい科目である「マネジメント」が先日終了しました。この科目は、1年生を対象として行う、1単位15時間の科目です。その学習目標は、「良質な医療を組織的に提供するために必要となるマネジメントの基礎を理解する」です。
では、具体的に何をしているか?といいますと、まずはクラスの運営理念を考え、3年間のクラス目標を考え、その後1年間の目標に落とし込みました。1年間の目標実現にむけての行動計画を立て、今は個人目標の提出待ちという状況です。つまり、目標管理を学生時代から経験するということです。
理念は、どんなクラスを目指したいのか?という問いを基にブレーンストーミングで様々な意見を書き出し、グループごとにKJ法でまとめました。グループ発表の後、「使命」「信条」「展望」という視点で意見をとりまとめ、最終的に次のような理念が出来上がりました。
 ■4回生クラス運営理念
  1.新カリキュラムの中で看護師としての力を身につけよう。
  2.笑顔を絶やさず助け合おう。
  3.信頼される看護師になって、いつか皆で同じ職場で働こう。
いかがでしょうか?見事にどんなクラスでありたいのか、どんなクラスを目指すのかが表現されていると思います。
この話し合いの過程において、自分の意見を人に伝えること、相手の意見を聞くこと、意見が食い違った時に調整すること、皆が話し合いに参加できるような雰囲気を作ること、目標達成のための方策を考えること、組織を作ること…などなど実に多くのことを学ぶことができたと思います。
1年間の目標達成のための計画を立案する際に印象に残っているのは、計画案としてでた意見に対する「面倒だ」という発言でした。面倒であるということが、そのまま効率的でない、効果的でないということにつながるのかどうかということを考えることが大切だと思いました。「面倒」という表現ではなく、「時間がかかる割に効果が薄いと思う」と言ったらどうでしょうか?「面倒」という言葉は感情を表しているため、否定的に捉えられやすく、後者の方が意見を受け入れやすいやすいのではないでしょうか。
結局、「面倒」という意見が多かったこともあったため、最終的に中間評価までその案は実行せず、他の計画を実行して評価してみようということになりました。私は科目担当として、学生の意見を尊重し、サポートしていこうと思っています。早速、計画にあがった学内演習練習予定表や練習チェック表、課題提出一覧表などを事務の協力を得て作成してクラスに掲示しました。7月下旬の中間評価の時に、どのような結果がでるのか、クラスが3年間運営理念を大切に思い、どのような動きを見せてくれるのか、本当に楽しみです。
学生の力を信じ、見守ることができる教員でありたいと思います。



平成27年6月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子

「新人看護師」

最近、昨年度の卒業生が時々学校を訪ねてくれることがあります。話を聞いていると自分の新人看護師時代を思い出します。とにかく、何もできなくて、わからないことばかりで、不安でいっぱいでした。実家に帰れば、泣いているか、寝ているかのどちらかだったと今でも母に言われます。今、思い出しても、とにかく辛かったという気持ちがいっぱいです。そんな中で、いつも助けてくれたのが、患者さんと同期の仲間です。患者さんは、私が行う、つたない看護ケアに対しても「ありがとう」と言ってくださったり、「大変だね、頑張ってね」と励ましてくださったりしました。そして、同期の仲間とは愚痴を言い合ったり、泣いたり笑ったり、時にはお酒を酌み交わしたりしました。勤務が終わった後、駐車場で2時間くらい立ち話をしたこともありました。今となれば、そのひとつひとつが良い思い出です。
その後、私も先輩と呼ばれる立場になり、多くの新人看護師に出会ってきました。私自身は、自分が新人であった時の気持ちを忘れないように…その時々で新人看護師の立場になって考えるように努力していたつもりです。特に前職では教育担当として関わる機会に恵まれ、新人看護師と話す機会が多くありました。その話が記憶に残ったためか、自分がまた新人看護師に戻って、仕事がうまく行かなくて病棟を走り回って泣いている夢をみて朝からひどく疲れたこともありました。
私が新人看護師だった時と比べて、今の新人看護師さんは本当に大変です。採血ひとつをとっても私が新人の時に必要とされた手順に比べいくつもの工程が増えているのです。医療事故防止が主な目的です。つまり、例えば10工程であったものが13工程や14工程になっているということです。10工程覚えて、そこから必要性を認識してひとつずつ工程を増やしてきた私より、最初から13ないし14工程を覚えなくてはいけない今の新人看護師の方が大変だと思うのです。
それぞれ、学んできた内容、経験してきた内容、人となり…違いがあって当然です。だからこそ、お互いに助け合って、それぞれの個性を大切に、より良い医療、看護の実現に向けて協力することができるような職場であるように、新人のときから自分のできることを実践できる看護師を育てたいと思っています。卒業生の皆さん、応援しています。時々は近況報告に来てくださいね。



平成27年7月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子


看護師としての思い出~Part3~

今回も私の大きな転機とその頃に出会った大切な患者さんのお一人とその方からいただいた大切な言葉についてお伝えしたいと思います。私は看護師として4年間働いた後に看護大学へ編入学しました。3年目で退職を申し出たのですが、その年に退職する方が多く、何とかもう1年とどまってほしいと上司からお願いがあり、1年を過ごした後のことでした。当初は、3年間、臨床経験を積んだ後に養護教諭になるため、進学しようと考えていました。しかし、その延ばした1年間で、どうせ勉強するなら大学へ行って養護教諭の資格と保健師の資格もとりたいと思うことができました。今思えば、上司のお願いは私にとってとてもありがたいものだったのです。最後の1年で上司が異動になり、勤務していた病棟の看護にも変化がみえました。そのことが、私がその後「看護管理」を学ぶ大きな動機付けにもなりました。
4年間という決して長くない臨床経験でしたが、本当に様々な経験をしたので思い出も思い入れもたくさんありました。そして、勤務最後の日のことです。その当時受け持っていた患者さん(Tさん)のところにあいさつに伺いました。私が退職すること、進学することなどを話すと、Tさんは私の手を握り、「さみしくなっちゃうわ。でもね、お金や物は誰かが盗ろうとしたら、盗られてしまうこともあるかもしれないけれど、身についた知識は誰も盗ることはできないから…頑張って勉強してね。」と言ってくださいました。私は、握られた手をしっかり握り返し、うなづきながら泣いてしまいました。新しい生活への不安や期待、そして慣れ親しんだ職場や職場の仲間、大切な患者さんとの別れの寂しさ…いろいろな気持ちが入り混じっていました。
その後、大学へ編入学し、大学院へ学びを進め、多くの学びを得ることができました。共に学ぶ仲間との力の差に劣等感をもったことも、研究過程では進むべき方向が分からなくなり悩んだこともありました。その過程の中で、Tさんからいただいた言葉とその手の温もりを何度も思い出していました。



平成27年8月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子

今年の夏休み

9月になりました。今年の夏は昨年、一昨年と違い、3学年そろっての夏休みはお盆の一週間しかありませんでした。学校の教員をしていると話すと「夏休みがあっていいね」「今は夏休み?」と聞かれます。実際には、教員は病院勤務時代と同じ5日間の夏季休暇を7月~9月の間にとらせていただくという状況です。しかし、例年ですと学生はほぼ1ヶ月間授業がないため、その間に教員会議を行ったり、研修に出たり、常日頃できないお仕事をしています。それが、今年は様相が違うため、何となく落ち着かない毎日を過ごしておりました。
そんな中、8月8日にオープンキャンパスを開催しました。午前と午後30名ずつの定員のところ、77名の応募があり抽選の結果午前33名、午後33名の方に来ていただくことになりました。当校のオープンキャンパスは、体験型のため人数制限をしており、抽選にもれた方には大変申し訳なく思っております。しかし、来ていただいた方には大変好評で「初めての経験をたくさんさせていただいてすごくこのオープンキャンパスに来てよかったと思いました。看護師になりたいという意志が強まりました。」「ここにいる先輩方々は、優しくとてもわかりやすく教えてくれてすごく良かったです。雰囲気も良く、すごく楽しそうな学校だと思いました。」などの感想をいただきました。学生がボランティアで参加してくれ、体験の指導をしてくれました。その中で自分たちの後輩になるかもしれない参加者に、とても丁寧に優しく接してくれた成果だと思っています。小さな学校だからこその魅力を伝えることができればと常日頃から思っておりますので、大変うれしい結果でした。
その後、2年生の基礎看護学実習2が始まり、9月3日で終わります。実際の臨床現場で患者さんと接し、看護過程を展開する(患者さんから様々な情報をいただき、その情報を分析し、看護上の問題を明らかにして看護として関わるべきところに関わり、その結果を評価し、再度問題を明らかにして…というプロセス)実習を行っています。今まで、講義などで学んできたことを生かし、自分の知識や技術、関わり方について見直すことができればと思います。実習が終わり、ひとまわりもふたまわりも成長した2年生に会えることを楽しみにしています。



平成27年9月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子


自己啓発

「看護者は、常に、個人の責任として継続学習による能力の維持・開発に努める。」これは、2003年に日本看護協会が示した看護者の倫理綱領の15ある条文中8番目のものです。私は、もともと怠け者でこの条文を見るたびに胸に突き刺さる感覚を持ちます。今は教える立場にあるのですから、倫理綱領を体言する姿勢を学生に示すうえでも、自らが看護師として生きていくうえでも非常に重要な条文であると認識しているからです。
私が現在心がけていることは、わからないことをわからないままにしないように日々過ごすこと、そして声をかけていただいた自らの啓発につながるようなお仕事はお引き受けするということです。
9月には、公立西知多総合病院でラダー研修として「看護研究と倫理」の講義をさせていただきました。40名近くの受講者の皆さんに、どのように伝えようかと考え、現在愛知県看護協会の研究倫理委員会のメンバーとして倫理審査に関わっている経験をもとにお話しさせていただきました。臨床で働く看護師にとって看護研究をすることは大変な苦労であることは以前の校長談話でも紹介させていただきました。ですから、今回の講義自体も「是非聞きたい!」「楽しみだ!」と思っていただけるようなテーマではないと思いました。しかし、お話していると首をかしげてわからないことを表現してくださったり、うなづいて理解していることを表現してくださったり…そんな方が数名いらっしゃることで随分救われました。わかりづらい内容をいかにわかりやすく、伝えることができるかという点で非常に勉強になりました。
その少し後に、母校である聖路加看護大学で開催された聖路加看護学会に参加しました。前日の評議員会議からの参加になりましたが、大先輩たちの生き生きとした表情や会話に随分刺激を受けました。学会が法人化されたことによる変化は、新しい情報ばかりでとても興味深いものでした。そして「教育と実践のハーモニー」という学会テーマは、当校が母体病院との連携を図る上でとても参考になる内容ばかりでした。
また、シルバーウィーク後半には短大時代の同級生から依頼されて彼女の研究のお手伝いをさせていただきました。まさに臨床現場で行っている研究であり、そのお手伝いをさせていただくことは臨床で働く看護師さんへの応援になると思っています。お休み中で確実に「お休み」していた頭をフル稼働させてとても楽しい時間を過ごすことができました。
このような活動で「自己啓発」といえるかどうか、いささか疑問ではありますが、少しずつ私らしく目の前にいる人を大切に、これからも自らの能力の維持・開発に努めていこうと思います。
最後に…9月初めに里帰りデーを行ったご報告を少しさせていただきます。昨年度卒業し、現場で働く人を対象に里帰りデーを行いました。22名の方が集まってくださり、久しぶりの再会に笑いあり、涙あり、おいしいお菓子とジュースをいただきながら楽しい時間を過ごしました。今回初めての取り組みでしたが、終了後のアンケートではほとんどの人が役立ったと回答してくださったので続けていきたいと思います。大したおもてなしはできませんでしたが、それでも皆の笑顔に私自身が癒されました。ありがとう。



平成27年10月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子


看護師としての思い出~Part4~

今回は、私が看護師になって初めて受け持ちをさせていただいたSさんとの思い出についてご紹介します。Sさんは多発性骨髄腫を患っている女性で腰椎の圧迫骨折を起こし、ベッド上で過ごされている方でした。私は初めての受け持ちということもあり、どのような関わりをしたらよいのか分からず、他の患者さんと違う関わりを特別にすることなく日々過ごしていました。
そんな時、先輩から「Sさんの受け持ちでしょ。何とかしてよ。トイレのコールが何度も何度もあるし、自分でできることでも自分でしようともしない!」と言われました。私は、先輩に怒られることが恐くて、とにかくSさんのところに行って何とかしなければ…と思いました。結果的に私がしたことは、Sさんと話し合い、Sさんが今できることをするように決めたということでした。具体的には、排泄後に陰部を自分で拭き、尿器を外すということをSさんにしていただくことになりました。Sさん自身、看護師に何度も迷惑をかけていると申し訳なく思っていたこと、そして自分でもできることをしたいと思っていたことなど話してくださいました。そうして、Sさんが『自分でできること』をし始めて、1週間ほど経ったころには、リハビリも進みコルセットをして歩行するほどに回復しました。これは自然の経過でもあると思うのですが、私が注目したのはSさんの表情でした。『自分でできること』をし始めてからのSさんの表情は明らかに変化してきたのです。「生きる力」「前を向く力」を感じました。先輩からの苦情で恐る恐る動き始めた私でしたが、Sさんはとても感謝してくれました。退院されるときには、「あの時、話をきいてくれて、一緒に考えてくれて本当に嬉しかった」と言ってくださいました。何だか、後ろめたいような気持ちもありましたが、嬉しくもありました。
後から振り返ってみれば、私は看護師としてSさんをエンパワメント(自らの力を自覚して行動できるようにサポートすること)し、セルフエフィカシー(自己効力感:自分に対する信頼感や有能感)を高める援助をしたことになったのだと思います。学生時代にもっと勉強していれば、もっと意図的にこのような関わりができたのだろうなと反省しています。今、看護を学んでいる学生さん達には、学んでいることを活かし、人に関心を持ち、意図的に関わることができる看護師になっていただきたいと思います。



平成27年11月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子



ジョイント研修

私がファシリテーターとしてジョイント研修に参加させていただくことになって3年目となりました。ジョイント研修とは愛知県看護研修センターで行われているもので、受講者は看護師等養成所の教務主任等教育運営責任者と病院の新人看護職員研修責任者です。受講生が4つのグループに分かれて「看護基礎教育、新人看護職員研修を連携させた看護技術教育プログラムの作成」という課題に挑むのです。そして、私を含め基礎教育や新人看護職員研修にたずさわった経験のある4名のファシリテーターがそれぞれのグループに参加して目標達成をサポートするのです。ジョイント研修の「ジョイント」には、様々な意味が込められていると理解しています。教育と臨床の場をつなぐ、教員と新人指導者をつなぐ、学びとして学生時代の学びと臨床に出てからの学びをつなぐ…そうすることで臨床現場で必要とされる臨床実践能力と看護基礎教育との間の乖離をなくしたいという思いがあるのです。
1年目に参加した時には、私自身、様子がわからず、とにかく自分もグループメンバーの一員のような気持ちで参加したことを覚えています。講義による学びも含め8日間という期間、忙しい教育現場・臨床現場から離れて研修に来られている方たちです。何か獲得して欲しいと、ただただ焦っていたように思います。しかし、私の焦りとは裏腹に皆さん、着実に話し合いを進められていました。私が何かしなくても良かったのです。
そして、2年目。とにかく楽しく、そしてそれぞれの受講生が何かひとつでも自施設に持ち帰って役立てることができるように…ということを最初から打ち出しました。すると、それは、それは、とても楽しく、前向きに、たくさんのお土産をもって帰ることができた研修となりました。
更に、3年目。昨年と同様のことを皆さんに伝え、もうひとつ「今回、講義などで学んだことを活かしたプログラムにしよう」ということを伝えようと思っていましたが、伝え忘れてしまいました。しかし、最後にできあがったプログラムは実に見事なものでした。講義で学んだことをふんだんに盛り込み、もちろんお土産いっぱいでした。
この3年間のファシリテーターとしての関わりを通して、看護職の持つ底力と生真面目さを再認識すると同時に「信じて見守ること」の大切さも実感しました。ついつい、手や口を出してしまいがちな教育の場で、信じること、待つこと、支えること、そしてタイミングよく手を差し伸べることができるようになりたいと思います。



平成27年12月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子

新年のご挨拶

皆様、新年あけましておめでとうございます。2016年になりました。私が当校へ赴任してから、今年で4年目になります。月日が過ぎるのは本当に早いものです。もう少しで、同期である3年生が卒業となります。その3年生は、現在、2月に行われる国家試験の合格に向けて勉強する毎日です。今年も100%合格を目指し、頑張ってほしいと思っております。
今年の抱負の前に、私が3年間看護学校で過ごしてきて感じていることから、これからの当校の目指す教育についての方向性を考えてみたいと思います。私が最も強く感じていること、それは学生の可能性を信じることの大切さと困難さです。この校長談話は、在校生からも卒業生からも「読んでますよ~」と言われているので、そのことを若干意識しながら述べていきたいと思います。
私が看護学部に編入学した時に、教育学の先生から「可能性は無限だと思うか?」という問いを投げかけられたことを覚えています。そして、教育とは、ほんの少しの可能性も見逃さず、そこに光をあて関わっていくことだとその時に私自身、解釈したことを覚えています。
実際に、看護学校で学生と関わる過程で、それが確信となっていく経験を何度もしました。私の想像を超える学びを獲得することもしばしばあります。そんな時、「やっぱり、すごい!」と思えるのです。しかし、逆にそんな思いが打ち砕かれることもあります。信じて待っても、そのまま「待ちぼうけ」になることもあるからです。そんなとき、きっと私の関わりのどこかが足りなかったのだろうと振り返りつつ、「学生としての権利と義務」についても考えるのです。私たち教員は、学生が学ぶことができる、学ぼうと思える環境を目指し続けることについて義務があり、学生は学ぶ権利と同時に義務もあると思うのです。その義務があることを自ら理解して取り組める学生と、そうでない学生、そしてそうではない時期にある学生がいるのです。教員は、「可能性を信じる」、このことだけはやめてはいけないと思っています。少なくとも、「信じている」「信じ続けている」ことを学生に感じてもらえるような教員でありたいと思います。そんな学生と教職員がいる「可能性にあふれた学校」をこれからも目指したいと思います。
長くなりましたが、今年の抱負です。今年は、技術教育の充実と実習記録の見直しに取り組みたいと思っています。どちらも既に少しずつ動き始めていますが、今までの取り組みを体系化し、新たな変化をもたらしたいと思っています。この校長談話の中で、その取り組みについて、少しずつご紹介していきたいと思います。今年もよろしくお願いいたします。



平成28年1月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子

体験レポート発表会

1月22日に臨地実習体験レポート発表会を行いました。これは、毎年3年生が臨床で体験したことをレポートにまとめ、それを発表するものです。私自身は、この発表会に参加するのは3回目ということになります。今年は、レポート作成から関わっていたところが今までと違うところです。
年度初めにオリエンテーションを行い、その後、当校で国語表現法を教えていただいている先生の書き方指導などのご協力を得ながら、作成のサポートをしていました。中でも、今年は途中で一人ずつ面談することを取り入れました。書いてきたレポートを基に、「何をもっとも伝えたいのか」「主語・述語のねじれなどの文章表現に問題はないか」「誤字・脱字はないか」など、直接一人ずつにコメントしながら、考えを聞き、方向性を決めるお手伝いをしました。
実習、そして後半は国家試験勉強などで忙しい中、皆、本当に頑張ってくれました。中には、5回以上の提出、そして修正をして、より自分の思いが伝わる文章へと努力した学生もいました。発表当日にも、「発表の練習をしていたら、文章を入れ替えた方が伝わりやすいと気づきました。当日ですけど、修正して発表してもいいですか?」と聞いてくる学生もいました。
そして、発表会。皆、本当に立派でした。そして感動しました。母体病院の看護師長さんがお二人、参加してくださり、「自分の忘れかけていた気持ちを思い起こさせてもらった」といった感想をいただきました。私自身も毎年、この発表会に参加すると感動と刺激をもらうことができます。学生の持つ、柔らかな感性と芽吹いたばかりの看護への思いがあふれているからだと思います。
その3年生も今は国家試験受験に向けて正念場です。毎日、一所懸命に勉強しています。3月には皆の素晴らしい笑顔のもと、卒業式を迎えられることを切に願っています。



平成28年2月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子


愛校作業

現在、3年生は、2月14日の国家試験を終え、3月4日の卒業式を控え、様々な愛校作業をしてくれています。これは、当校の伝統で毎年、卒業生自らが考えたり、教職員からお願いしたりして、学校の環境を改善するために様々な作業をしてくれます。今年は、門のペンキ塗り、門塀の苔取り、玄関先のタイル磨き、体育館のパイプいすの拭き上げ、各教室のブラインド拭き、実習室のベイスンや器材の磨き上げ、パソコン内の不要なデータの消去などなど、実にたくさんの作業を行ってくれました。
この作業を通して、3年生の成長を実感しました。愛校作業自体はもちろん教科外の時間となります。ですから、参加しなくても卒業はできるということです。しかし、今年の学生は私の見る限り、非常にバランスよく作業をしているなぁと思いました。途中で帰る学生、体調不良で休む学生はいましたが、全体に熱心に黙々と、しかも楽しげに作業をしてくれていました。私も、一緒に作業をしたのですが、本当に良い思い出になりました。「依頼されたこと以上の仕事をすることで感動が生まれるんだよ!」と無理やりパイプ椅子の入っている台車の掃除をしてもらったりしました。(「結局言われたから、やるしかない…」と言っていましたが…)
しかし、台車の掃除をしたことによって、体育館の床が埃で白くなってしまったのです。そこからは私のお願い(指示?)ではなく、まさに「依頼されたこと以上の仕事」として、床掃除が始まりました。そして、最終的には掃除前から気になっていた汚れも取り去り、ワックスがけをするに至ったのです。他の作業をしていた学生も加わり、皆で協力する姿がとても嬉しく、頼もしく、私の眼に映りました。
看護師になるための知識や技術を身につけることは、第一義的に大切なことですが、このような作業を通して身につける協働する力もとても大切なことだと思います。当校の目指す社会人基礎力と倫理観を高める教育のひとつの具現化であると確信しました。その場に共にいることができる幸せを感じつつ、とても素晴らしい時間を過ごすことができました。卒業生のみんな、ありがとう。

 

平成28年3月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子


新年度~はじまりのとき~

平成28年度が始まりました。卒業式が終わり、卒業生を見送った後、新年度の準備に追われ、職員の異動もあり…毎年のことではありますが、毎日があっという間に過ぎていく感じです。しかし、今日は4月1日、鶯の鳴き声を聞き、雨に濡れた桜の花を眺めながら、少し落ち着いて新年度のことを考えてみようと思いました。
新しいカリキュラムの2年目、そして校長として3年目、学校へ赴任して4年目ということを念頭に、平成28年度にどのような意味を持たせるのか?と考えてみました。今年は、「仕組みづくりの年」にしたいと思います。「仕組み」とは、「誰がいつ、何度やっても同じ成果が出せるシステム」*のことを言います。この3年間で様々なことに教職員・学生を巻き込み、取り組んできました。そのひとつひとつが学校の風土として根付き、新たな課題に対しても取り組んでいけるような仕組みづくりをしたいと思うのです。学生も教職員も、それぞれがもつ力を発揮できるような学校でありたいからです。
「課題解決の仕組みづくり」は簡単ではないと思います。しかし、その原動力となる課題発見力があることは当校の強みだと思っています。発見した課題を誰がどのように、誰と協働して解決の道を探っていくのか、というところの仕組みを創り、強化をしていけば良いのだと思います。ひとつずつ、課題に取り組みながら、「仕組み」を意識していくことで新たな課題に取り組んでいきたいと思います。
新年度、はじまりのときとして、新しい教職員、新入生を迎え、気持ちの良い風を感じながら、皆と一緒に頑張ろうと思います。

 *引用 泉正人:「仕組み」仕事術,ディスカバー,p14,2016.

 

平成28年4月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子


新入生対象春合宿

今年で3年目になる新入生を対象とした春合宿を4月15日、16日に行いました。今年も楽しかったです。この合宿の目的は、「3年間の学びを始める時期に、学生便覧を中心に学ぶ姿勢、具体的な学習方法を確認するとともに学ぶ仲間としてクラスメイトとの親交を深め、様々な課題に協力して取り組んでいくことのできるチーム力を高める」というものです。グループに分かれ、学生便覧の担当部分を熟読し、その内容を発表するということやコミュニケーションゲーム、コーディネーショントレーニングを取り入れたゲーム、模擬授業を受けてのノートの取り方や、資料のファイリング方法などを学習します。春合宿前に既に学生便覧については自己学習するように促しているため、事前テストを行い、その結果などからグループ分けを行いました。様々なゲームの得点やグループワークの得点で2日目の終了式には上位10名に表彰を行いました。
3年目となり、担当する教員は慣れてきたと感じますが、新入生はいつも緊張感いっぱいです。それが2日間、寝食を共にすることで変化するのです。アンケートの結果でも「行きたくないと思っていたけど、楽しかった」「今まで話せていない子とも話せてよかった」などの意見が多く聞かれました。ゲームをしている時の本当に楽しそうな笑顔やグループワークのときの真剣な表情は、素敵です。
また、昨年より始めた「マネジメント」の授業は、今年も私が担当しています。学生のときから目標管理を取り入れてみようと考え、グループワークをしながら、クラスの運営理念、3年間の目標、1年間の目標、そしてクラスの行動計画、個人目標、個人の行動計画を考えてもらっています。
今年の1年生のクラスの運営理念は次のように決まりました。

【2017年度第5回生クラス運営理念】
1.ひまわりのようにまっすぐ30人全員で卒業、国家試験合格という目標に向かって成長する。
2.個性を大切に、団結力を高める。

5回生のカラーが出た、良いクラス運営理念だと思います。この2日間の春合宿で、クラスの基盤となる「親交」が深まり、学生としての学習姿勢についても考えるきっかけになったと思います。ひまわりを見ると思い出す学年となるでしょう。

 

平成28年5月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子



看護師としての思い出~Part5~

看護師としての思い出の中で今までにご紹介した4名の患者さんは、全て私が最初に勤務した病院で出会った方々でした。今回は、その後、学生時代にアルバイト先の病院で出会った患者さんとの思い出を紹介したいと思います。
私は、週に一度、土曜日に夜勤のアルバイトをしていました。夜勤での私の担当患者さんは、いつも10名程度でした。最初に10名の担当と言われたときに正直「楽そうだな」と思ったことを覚えています。しかし、現実は異なりました。その病院は全室個室であるためか、患者さん一人一人は、看護師が訪室するのを心待ちにされていました。ですから、一旦訪室するとなかなか退室できず、10名の患者さんを一回りするのに大変な時間がかかったのです。これは、大きな発見でした。つまり、それまで関わらせていただいていた大部屋の患者さんは、他の同室者の様子やそこに関わる看護師の動きを見聞きし、自分の言動を意識的あるいは無意識に抑制していたのではないかと気づいたのです。私は、それまで関わった患者さん達に我慢させてしまっていたのではないかと申し訳ない気持ちになりました。
そんなときに出会ったKさん。Kさんは、40代の男性で、数年前に胃がんの手術をされ、今回は肺への転移が認められ、呼吸困難と背中の痛みを訴えられていました。抗がん剤治療を続けられていましたが、全身状態は悪くなる一方でした。奥様がいつも病室にいらっしゃり、お二人がとても仲が良いことが印象に残っています。若いころに剣道をされたことがあり、私も学生時代に剣道をしていたことから、剣道の話題で盛り上がりました。他愛もない話をし、いつもいつも冗談を言い、「笑い」がコミュニケーションの中心にありました。痛みがひどいときには、背中のマッサージをし、いつものように他愛もない話をして笑いました。徐々に状態が悪化し、ある日、業務前の申し送りで「意識混濁がある」と聞きました。いつものように訪室すると、奥様が傍らに座り、背中をさすっていらっしゃいました。私が挨拶すると、うっすらと眼を開け、「お!吉永小百合がきたな!」と言ってニコッと笑ってくださったのです。私は笑いながら涙をこらえました。その数日後にKさんが亡くなったことを、病棟の方から伺いました。
看護師として何かできたのか、もっとできたことはあったに違いありません。しかし、私にしかできない関わりはできたと思っています。亡くなった後に奥様から「1週間に一度、あなたに会うのを楽しみにしていたのよ」と聞いたからです。私は、個室で過ごすKさん、そして奥様に「風」を送っていたように思います。「普通に接する」ということが、Kさんには大切な関わりであったと今でも思っています。

 

平成28年6月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子


教育に携わる立場の喜び

5月の終わりから始めていた高校訪問が6月7日で終わりました。知多半島内の高校を中心に、在校生がいる名古屋市、西尾市の高校も含め、18校を訪問しました。訪問先では、進路指導担当の先生方とお話しし、在校生の様子を伝えたり、当校の概要や受験についての説明をさせていただいたりしました。進路指導の先生は、皆さん熱心で、看護を志望する生徒のことを一所懸命に考えていらっしゃることがわかりました。在校生の様子を伝えると、とても嬉しそうに聞いてくださり、その姿に「先生と呼ばれる存在のやりがい」を感じました。自分が関わった生徒が成長し、頑張っているということを見聞きすることは本当に嬉しく、教師という仕事をやっていてよかったと感じる瞬間なのだろうなと思いました。
そして、6月17日、当校では、昨年から始めた「里帰りデー」を行いました。就職先の病院に協力を依頼して勤務調整をしていただき、前年度の卒業生を母校に招く行事です。今回は、昨年度の卒業生で就職した25名が揃いました。自由に歓談し、ちょっとしたゲームを行い、その後に近況報告をしてもらいました。入職して2ヶ月が過ぎ、様々な思いを抱えながらも、「何とか頑張っています!」という言葉や笑顔に頼もしさを感じました。参加者からは、「自分だけじゃないと思えた」「久しぶりに皆に会えてほっとした」といった感想が聞かれました。参加した私自身も高校訪問で出会った先生方と同じように、卒業生の成長した姿を見聞きし、本当に嬉しく思いました。今はまだ新人看護師ですが、間違いなく、これからの看護を担っていく頼もしい存在になると思っています。
同時期に今年のオープンキャンパスの申し込みが始まりました。応募期間になって間もなく、定員に達しました。受け入れ可能人数が限られているため、今年もお断りしなくてはいけない事態になることは必至ですが、新しい可能性を秘めた高校生に出会えることを楽しみにしています。

 
平成28年7月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子

朝のおはよう!

6月の中旬に行った1年生の教科外活動の花植え作業後、梅雨に入り、日に日に草が伸び、毎年のことですが、折角植えた花が見えなくなるほどになってしまいます。そこで、草取りが必要になるわけです。私は、健康のために随分前の卒業生が卒業記念に寄贈してくれたエアロバイクを朝、こぐことにしているのですが、最近は、その時間を草取りの時間にあてています。
教員がやらなくてもいいことだと言われたことも何度かあります。しかし、私は、朝のこの時間に私自身が草取りをする意味を見出しているのです。朝早くから、学生が登校する姿をみることができ、「おはよう!」と声をかけることができ、ちょっとした会話をすることができるのです。
私「いつも朝早いね。」
学生A「この時間しかバスがないんです」
私「なるほどね。でも、早く来るといろいろできるよね」…
私「昨日の技術試験はどうだった?」
学生B「皆、あんなに頑張って練習していたのに不合格が多くてびっくりしました」
私「技術は、手順を覚えることも大切かもしれないけど、どうしてそうするのか、やってはいけないこととその理由とか理解していないとね」
学生B「そうですね、順番通りにやることばかり必死だった」…
などなど。「今日も暑いね~」という会話から、いろいろと拡がるのです。
看護もそうだと思うのです。足を洗うことは誰でもできることかもしれない。しかし、足を洗いながら、足の観察をしたり、会話の中から思いを引き出したり、リラックスしていただけるように指圧をしたり…看護師が行うからこその「はたらき」があると思うのです。
なぜ、草取りをするのか?そこに草があるから…ではなく、様々な意図をもって朝の草取りをするということが私の楽しみです。草がなくなると花も元気になってきます。随分、きれいになってきました。今月行われるオープンキャンパスのときには、すっきりした花壇で来校者をお迎えできるように…と思っています。

 

平成28年8月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子



夏休み

今年も夏休みが終わろうとしています。8月の1ヶ月間を振り返り、様々な出来事について、いくつか、振り返ってみようと思います。
◆8月2日に、看護協会の研究倫理についての研修にオブザーバーとして参加しました。午前の部、午後の部があり、私の出番は午後の部でした。この研修は、実際に研究倫理審査を実施している方、研究指導している方、看護管理者の方が対象でした。実際の研究計画書を審査してみるというグループワークを実施しました。皆さん、本当に熱心で、私自身が刺激を受けました。
◆8月4日は毎年恒例の愛知県看護教育研究会主催の研修に参加しました。「主体性を育む授業づくり~協同学習の基本と実際~」というテーマで久留米大学の安永悟先生の講演でした。実際に、受講者である私たち自身が体験し、協同による授業づくりが有効であることを実感しました。同じ時間を過ごすならば、皆で実りある時間にしよう!という心意気が根底に流れていることが大切だと思い、それを学生に伝えていくことが重要であると感じました。
◆8月6日はオープンキャンパス。93名の応募があり、抽選の結果、午前・午後各36名の方に来ていただくことになりました。体験型のオープンキャンパスで、参加された方から、とても高い評価をいただきました。夏休みで暑い日にも関わらず、笑顔いっぱいに協力してくれた在校生に感謝しています。
◆8月19日~20日に横浜で開催された日本看護管理学会に参加しました。久しぶりにお会いする大先輩に元気をいただき、夜は母体病院の看護局長さんと中華街でお食事し、とても楽しい時間を過ごすことができました。学会に参加して、新しい知識を得ることができ、看護の可能性を感じることもできたので、とてもワクワクしました。
◆夏休み中に教員会議を何度も行いました。看護過程の展開の教授内容を変更し、それに伴い記録物も見直そうと考えています。そのため、不足している知識を確認しながら、皆で学んでいます。事前に自己学習して会議に臨む…学生たちがグループワークをするときにも課していることです。教員全員が自己学習して臨んでいる姿は「さすが!」と思うものでした。今年度の大きな課題のひとつです。学生が戸惑わないように、皆で協力して、しっかりと地固めをしていきたいと思います。

9月になりました。3年生の実習も再開です。1年生、2年生も含め、また皆の元気な顔をみるのが楽しみです。

 

平成28年9月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子


国語寺子屋

私が、当校に赴任して2年目より、朝の始業前の時間を利用して「国語寺子屋」を行っています。何をしているかというと文章を書く練習と話す練習です。
なぜ、このようなことを始めたかという経緯について、まずは説明します。約2年前、実習に出てみたら、なかなか文章が思うように書けない、患者さん、看護師さんとコミュニケーションをとることが苦手…ということが課題としてあがった学生がいました。何か、できることはないか?と考え、「国語寺子屋」(当初はこのような名称をつけていませんでした)を始めたのです。ひとつは、工藤順一先生の書籍(作文が書ける。みくに出版より発行されていましたが現在廃版)を活用しての作文と添削、もうひとつはテーマに沿った会話です。
作文は、漫画や絵、写真をみて、それを読み手に伝える文章を書く練習をしています。絵や写真を見なくてもどんな絵や写真なのかがわかるように書くのです。絵を解説するだけにとどまらず、その絵から何を伝えようとしているのかまで表現するのです。添削は、難しいですが、主語・述語のねじれや接続詞、助詞の使い方などの文法、絵や写真から自立した文章が書けているか、という視点で見ています。話せても書けない、書けても話せないということはよくあることです。書き言葉と話し言葉の違いを理解しつつ、書く力、話す力、両方をつけて欲しいと願っています。
話す練習は、「昨日あったことを相手に伝える」「卒業式や遠足など行事に行っていない人にその状況を伝える」「自分の部屋の間取りや家具の配置などを相手に伝える」といった内容で話してもらいます。その後に、その時の自分の思いや語ったことによる感想などを話してもらいます。
現在、3年生が2名参加してくれていますが、実習が続いているため、そのうちの1人が、先日久しぶりに朝、顔を出してくれました。「実習が楽しかった!」という表情は、とても明るく、聞いている私まで嬉しくなりました。書くこと、話すことくらいは…と思いがちですが、それが思うようにできなくて苦しむ学生も多くいます。力になれているのか、不安ではありますが、少なくても彼、彼女らが経験していることを言語化し、意味づけし、その思いを共有できるように…と思っています。

 

平成28年10月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子



「看護師になろうという強い意思」

学校で働くようになって、勉強や実習でつまづいた学生に出会った時、「そもそも、あの子は看護師になろうという意思を持っているのだろうか?」という話をよく聞くようになりました。その言葉を聞くたびに、私自身の学生時代を振り返るのです。私は、正直、それほど強く看護師になりたいと思っていませんでした。そんな私が、臨床で4年間働き、更に進学した時には、学生時代の友人が驚いたことを覚えています。そして、その後も現在まで、病院、学校と働く場所は変われども、看護にずっと関わっているのです。それは、様々な出会いの中で、「看護を選んで良かった」と思う経験を積み重ねてきたからです。ですから、私は、学校での教員、講師、臨地実習指導者、受け持たせていただいた患者さんとそのご家族、クラスメイトや先輩との出会いなど、様々な出会いの中で、看護の「奥深さ」「楽しさ」「難しさ」を学生自身が実感し、「看護師への道」を地固めしていけるようにと考えています。
高校生の皆さんとお話をさせていただくときには、いつも「看護師になりたいという強い意思がなくても、私たち教員は、『看護って楽しい!』を伝える努力をするので大丈夫だと思う。しかし、他にやりたいことがある人はもう一度考え直した方がよいと思う」と話します。何故なら、看護師になるための勉強や実習は、とても大変だからです。くじけることなく、悩むことなく、学校生活を終える人は、稀だと思います。くじけたり、悩んだりした時に、「私は、本当は看護師になりたいわけではなく、○○の仕事をしたかったんだ」と思うと、つい逃げ出したくなるものです。ですから、他にやりたいことがある人は、もう一度考えてみてください。
私は、看護師になることを断念する学生に出会った時には、「看護の楽しさ」を伝えきれない力不足を痛感します。「看護の楽しさ」を伝え、看護師になりたいという意思を確固たるものにしていけるように、私たち教員は学生と共に努力し続ける必要があると折に触れ、感じる今日この頃です。

 

平成28年11月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子



「ほんまもん」

当校では、毎年1回、全学年を対象とした全体講演会を実施しています。今年度は、福島県会津若松市の竹田綜合病院皮膚科科長であり福島県立医科大学臨床教授をされている岸本和裕先生に講演をしていただきました。1時間半という短い時間の中で、「ほんまもん」*になるためには、何をすべきか、どう生きるべきか、といったお話を先生ご自身の経験を交えながら、お話ししていただきました。まさに、「ことだま」とも言える、たくさんの言葉をいただきました。それは、これから看護師になろうとする学生にとっても、既に看護師となり教員として働いている私たちにとっても、事務職にとっても、自分自身の生き方を見つめ直す機会になりました。先生によると、「言葉」が織りなす「人間学」についてお話しいただいたのです。
先生のところには、遠方からも患者さんが受診されます。多くの病院を受診しても、問題が解決せず、「何とかしてほしい」と来られます。先生は、そのような患者さんのお話にじっくりと耳を傾け、「何とかできないか?」と考え続けるそうです。「自分が投げだしたら、目の前にいる患者さんは、もうどこへ行っていいのか分からなくなるから…」とおっしゃっていました。講演の中で紹介していただいた症例の患者さんたちは、とても良くなっているという印象を受けました。にも関わらず、先生は「患者さんが望んでいるのは完治ではなく、納得すること」だと言われました。医師の仕事は結果がすべてであると考えられることが多いが、先生は、たとえ完治に至らなくても患者さんが納得することが大切だと、敢えて言われたのだと思います。確かに、今の状況が何故起こっているのか、医師はどのような治療を考えているのか、そして患者として自分は何をすべきなのか、自分自身が当事者として自分の状況を「わかる」ということがいかに大切かということは臨床でよく感じることです。私たち看護師も患者さんの物語に耳を傾け、患者さんが納得して生活できるように支えることが大切だと改めて思いました。
また、「無理して頑張ること」が医療者には必要だというお話もされました。これについては、無理しすぎて潰れてしまう人を何人も見てきた私は、即座に了解できませんでした。しかし、先生との講演後のメール等のやり取りの中で、「少しだけ無理して頑張ること」というところに落ち着きました。目標設定も同じですが、楽にできることではなく、少し頑張らないと達成できないところに目標設定することが成長につながると思うからです。先生によると「少しだけ無理をして自らの限界を高めていくことなしにほんまもんに近づくことはできない」ということです。自分に何ができるのか、唯一無二の存在になれるのか、自分自身の賜物を大切にしながら、今置かれた場所で最善を尽くせるように生きていきたいと思います。

*岸本和裕:「ほんまもん-未来を変えるために私がしていること、きみたちにできること」,健康ジャーナル社,2015.

 

平成28年12月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子


新カリキュラム完遂の年

平成25年4月に当校の前身である知多市立看護専門学校に副校長として着任し、翌年には公立西知多看護専門学校の校長となり、この4月には5年目を迎えようとしています。新年を迎え、振り返りをしてみたくなりました。
1年目は、SWOT分析をして当校の強み、弱み、機会、脅威を分析しました。その結果、考えた課題がいくつかありました。その中でも、カリキュラムの見直しは非常に大変な作業でした。
2年目にカリキュラムの見直しを行い、平成27年より、新カリキュラムを動かし始めました。そして、いよいよ新カリキュラム完遂の年となったわけです。社会人基礎力と倫理性を兼ね備えた看護師を育成するということをカリキュラムの柱としてきました。今までのカリキュラムによる教育と何が違うのか?というと、カリキュラム構成も時間数も変更しましたが、大きな成果は目指すべき看護師像を教員間で共有したことであると思います。開校当初には、同じ志を持った教員で組織されていたのでしょうが、時間の経過とともにメンバーも入れ替わり、どこを目指すのかといったことについて改めて話し合う機会も少なかったのではないかと想像しています。だからこそ、今回の見直しで『目指すべき看護師像』を共有できたことは、自分たちが行う教育そのものを見直す機会になったと信じています。
看護学生の3年間は非常に濃密な時間です。1年生として入学した時の姿からは想像できないほどの成長を見せてくれます。知多市立看護専門学校の時代からの伝統を受け継ぎつつ、公立西知多看護専門学校の新しい歴史を築いていく卒業生が、十分な力を兼ね備えて旅立つことができるように私達教員は応援していきたいと思います。
看護の対象となる患者さんの代弁者となるため、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」「物事の良し悪しを判断する力」をしっかり養えるように…と願っています。新しい年(酉年)を迎え、新カリキュラム完遂の年として、気持ちを新たに前進し、羽ばたいていきたいと思います。

 

平成29年1月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子


「看護師としての思い出~Part6~」

久しぶりに看護師としての思い出を書くことにしました。今日も、新人時代に出会って、最後の看取りまでさせていただいた患者さん、Oさんです。Oさんは、強面で身体の様々なところに墨をいれていらっしゃる方でした。糖尿病を患い、頑固で、滅多に笑わない方でした。
最初の出会いは、採血の場面であったと思います。緊張して、訪室すると「一回で刺せよ!」と小さな声ではありましたが、凄味の利いた声で言われました。とてもよく出た血管がありましたが、そこは墨が入っている部位でした。「ここでもいいですか?」と尋ねると、「いいから、とにかく1回でやれよ」と答えられました。
私は、緊張でいっぱいでしたが、1回で成功することができました。すると「お~、よくやったじゃないか。新人にしては」とふっと笑顔を見せてくださいました。私は、その笑顔が忘れられず、Oさんのことを気にするようになりました。風貌と言動のためか、Oさんのことを苦手とする看護師もいましたが、私は全く苦手意識はありませんでした。
Oさんは、家族思いで、いつも家族のことを心配していました。私は、Oさんといろいろな話をするようになり、いつしか、Oさんは私を見つけると自ら声をかけてくれるようになりました。
何度目かの入院のとき、Oさんの状態は非常に悪いものでした。そのとき、私と同期の看護師を枕元に呼び、Oさんは両手で私たちの手を握り、「お前たちは、いい看護師になるぞ。俺はそう信じているからな。」と言ってくださいました。私は、その時の情景を忘れることができません。Oさんが亡くなった後も、時々、ご家族にお会いする機会があり、いつも、Oさんとの思い出を語っていました。辛い時に、Oさんの言葉を思いだし、看護師を続けようと思い直したこともありました。
Oさんは、何故、私や同期の看護師を認めてくださったのか、それは、私たちが偏見を持たずに、他の患者さんと同じように関わったためではないかと思っています。人は誰しも好き嫌いはあるかもしれません。しかし、公平であること、公正であることはとても大切なことであると思っています。
今は、学校に在籍し、多くの学生と関わりますが、そこでも「公平であること」は常に心掛けるようにしています。そして、時には対応に差が出ることもあります。それは、「公平であること」よりも「公正であること」が優先した場合であるように…と思っています。

 

平成29年2月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子



「学生、卒業生の成長」

昨年の3月のこの校長談話では、愛校作業の様子について書いていました。実は、そのこと自体を忘れていたのですが、今年も卒業生と一緒に愛校作業をしていた時に、「先生!先生の校長談話、読んでいます。依頼されたこと以上の仕事をするんですよね!!」という学生がいました。それで、思い出したわけです。今年の卒業生は、まさに率先して、「依頼されたこと以上の仕事」をしてくれました。それも嫌な顔もせず、実に楽しそうに笑顔いっぱいの時間を過ごしていました。この学校で過ごす時間、クラスメイトと過ごす時間を愛おしむかのような様子で、私も一緒に作業しながら楽しく、そして嬉しく思いました。
当校には、授業時間外でこのような愛校作業や物品点検、図書の総冊数点検、掃除などの時間が設けられています。中には、「授業ではないですよね」という学生もいますが、そこで何を学んでほしいと思っているのかを感じ取ってほしいと思います。授業や実習で学ぶことは大切です。しかし、それ以外の活動も非常に重要な意味をもっています。それは、まさに当校の教育の柱としている社会人基礎力を育てることだと思っています。自ら取り組む「主体性」、クラスメイトを巻き込む「働きかけ力」、どこまで行うのか目的を設定して実行する「実行力」を要素とする『前に踏み出す力』、どうしたら作業がスムースに行えるのか、何が問題なのか現状分析する「課題発見力」、どのように計画したら良いのか考える「計画力」、もっと良くするためにはどうしたらよいのか考える「創造力」を要素とする『考え抜く力』、そして何より、『チームで働く力』を育んでいただきたいのです。
ここのところ、卒業生が学校へ来てくれます。仕事で行き詰った人もいれば、国家試験の激励に来てくれる人もいます。働き出して語るその姿は、頼もしい限りです。卒業生が気軽に来て、話ができる学校であることが私の目指す学校の姿であるので、本当に嬉しく思っています。
卒業生の様子、3年生の様子、その成長ぶりを、感慨深く見ています。3年間で、こんなに成長するのだと…そして働くことでこんなに大人になるのだと…教員として関わらせていただくことに感謝しつつ…。

 

平成29年3月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子


「祝✿国家試験現役生全員合格!」

3月27日に国家試験の合格発表がありました。見事、現役生全員合格でした。14時の発表時には、教員もインターネット上の発表をみようとパソコン前にくぎ付けになっていました。「つながった!」の声と共に1台のパソコンに集まり、皆で番号を読み上げながら確認しました。本当に嬉しかったです。その後、学生と共に母体病院や東海市および知多市の両市役所、組合に報告とお礼に回りました。皆さん、本当に祝福してくださり、とても幸せな気持ちになりました。とにもかくにも、学校で発表時間を迎えた卒業生たちのとびきりの笑顔が本当に素敵でした。
実習を続けながら、国家試験対策のための勉強を行い、試験直前までそれぞれの学習方法を模索しながら、心と体の調整をしつつ、本当によく頑張りました。その学生を支える教職員にも感謝しています。どう支えたら良いのか、学生一人一人に合わせたきめ細やかなサポートや学習環境の整備をしていただけたからこそと思います。
いよいよ4月から、卒業生たちは看護師として働きはじめることになります。また、一から、いや、ゼロからの出発だと思って、しっかりと自分の道を歩いていってほしいと思います。
卒業後も何かあれば相談に来ることができる、相談に来たいと思える学校であり続けられるように、私達、教職員は努力していきたいと思っています。卒業生の皆さんに改めて、エールを送ります。
おめでとう!そして、頑張れ!!

そして学校では、新入生を迎えます。今年も、また、どんな学生に出会えるのか…楽しみにしています。

 

平成29年4月 公立西知多看護専門学校
校長 竹内(宮原)晴子



「4回目の春合宿」

4月6日の入学式で今年も30名の新入生が入学しました。今年は男子学生が6名います。そして公立西知多看護専門学校の6回生です。既に春合宿を終え、私が行っているマネジメントの授業も半分が終わりました。1年生が目標管理を理解するのは非常に難しく、分からないながらに一所懸命に考え、課題に取り組んでくれています。
6回生のクラスの運営理念は、「元気で笑顔 1人は皆のために 皆は1人のために 夢に向かって頑張るクラス」となりました。この運営理念のもと、現状分析した結果、3年間の目標は、次の3つになりました。

クラス目標
 1.全員で卒業して国家試験に合格する。
 2.様々な看護技術を学んで、今できることを増やしていく。
 3.日々の気づきあいを通して、社会人基礎力を身につける。

前回の授業では、1の目標についての計画を立案しましたが、とても活発な意見交換ができ、私自身も楽しく時間を過ごすことができました。春合宿の前と後では、大きく変化したのです。春合宿前のグループワークでは、意見を言う人に偏りがありましたが、春合宿後はその偏りが減ったように思いました。更に私が指示しなくても意見を言ってくれるようにもなりました。そして、何より、皆の笑顔が増え、良いクラスを作っていこうという気持ちが伝わってきました。
春合宿は今年で4回目になりました。1回目から、毎回少しずつ改善し、取り組んできましたのでこの変化はとても嬉しいものでした。
毎年クラスの雰囲気は違うのですが、6回生の特徴は、「善い行動がつながっていく」ところだと思います。1人の学生が善い行いをすると、それを見ていた他の学生も自ら動く、そんな連鎖がみられるのです。これがおそらく6回生の皆が自分たちで考えた「気づきあい」そのものなのだと思います。
それぞれの個性を大切にしつつ、気づきあい、補い合い、助け合い、学びを深めながら、3年後の卒業、そして国家試験全員合格に向けて歩んでいってほしいと思います。


              平成29年5月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子

「宣誓式、そして実習開始」

5月2日に宣誓式が終わり、2年生は老年看護学実習2ということで3つの介護老人保健施設に出かけていきました。それと並行して、3年生は精神看護学実習に行きました。
いつも思うのですが、実習での学びは決して学校内で代替えできるものではなく、本当に大きな、かけがえのないものとなります。もっと、1年生の時から勉強しておけばよかったと実感する時でもあるようです。もっと知識があったら…もっと技術ができたら…と何度も思うのです。
先日、精神看護学実習が終わった3年生と話す機会がありました。彼らは、実習で自分たちが成長したことを実感していました。それは、おそらく、対象となる人をどう捉え、どう関わるのかという点において、自分たちの見方、考え方がいかに一方向的で狭いものであったのかということに気付いたからだと思います。自分たちが、対象となる人の感じていること、考えていることを「こうに違いない」と決めつけてしまっていること、そしてその考えのもとに言葉が出なくなってしまったり、出た言葉が的外れで相手を怒らせてしまったりしたこと…そんなひとつひとつの経験が、彼らを成長させたのだと思います。人は、それぞれ、いろいろなものの見方、考え方をするものです。そんなこと当たり前…と思いながらも、日々のコミュニケーションの中で、実は多くの思い込みがあるのです。その思い込みに気づき、その上で相手と関わりたいという気持ちを持って、自分が感じていることを言葉にすることの大切さも実感したようです。
このような実習での経験を「学び」にしていくためには、その経験に意味づけすることが必要で、そこに私達教員が関われたら…と思います。「どんな経験も決して無駄にはならない、無駄にしない」、そのために私達教員も感性を磨き、学生とともに成長したいと思います。


              平成29年6月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子


「看護過程」

私は、看護学校で働かせていただくようになった平成25年から、「看護過程の展開方法の変更」をずっと願ってきました。そして、昨年の1年生から変更した考え方を取り入れた授業を実施し、その学年の基礎看護学実習2(看護過程の展開をする実習)がいよいよ今月から始まるのです。
看護診断を導入していたものの、診断ラベルを使用していただけに近い以前の状況から「看護診断する」という考え方を伝えていくように変えたのです。私達看護師は、患者さんの情報から、その方にとって何が問題であり、その問題を解決するために何ができるのかを常に考えています。そのプロセスにおいて「看護診断する」という段階があるのです。
記録用紙も大幅に変わりました。それに伴い、実習スケジュール、評価表も変更になります。これは、学生にとって…というより、教員にとって非常に大きな変化となります。だからこそ、変更までに数年を要したわけです。しかし、これは変えなければいけないことだったのだと信じています。
一般的には耳慣れないであろう「看護診断」ですが、そこには看護が関わるべき問題が集約されているのです。だからこそ、看護師として責任をもって看護診断し、必要な介入、根拠のある介入を実践していくのです。何となく…ではなく、根拠をもって、収集した情報を分析することにより、問題を明確にし、適切な看護を考える力をもつことが重要だと思っています。そこに至る論理的思考こそが学生に学んでほしいエッセンスであると思っています。そして、その根底には患者さんを想う気持ちがなくてはならないものであると様々な学びから感じ取ってくれることを願っています。


              平成29年7月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子


「会いたくない人」

看護学校へ来て、多くの学生と接し、卒業生も4回見送りました。卒業式の前の学生自治会が行う祝賀会では、「このクラスで良かった」という人がほとんどです。30人1クラスで1年生の時から苦楽を共にしてきた仲間なのですから、不思議はないでしょう。しかし、中には、できればもう関わりたくない、顔を合わせたくもない…という人もいるようです。
そこで、自分自身を振り返ってみました。私には、そういう人は思い浮かばないと、この校長談話を書くまで思っていました。しかし、違いました。1人だけ会いたくないなぁと思う人がいました。皆さんがどうなのかはわかりませんが、1人だけ…というと、私がとても人づきあいがうまく、いつも皆と仲良しだったように聞こえるかもしれません。しかし、そうではないのです。中学生までは取っ組み合いのけんかもしていましたし、それ以降、学生時代も働き出してからも多くのいさかいを経験してきました。ですが、その相手とでも今も時々会う人もいますし、何かの機会に会えば懐かしくいろいろな話を笑いながらできる私がいます。それでは、会いたくないと今でも思う1人とは何が違うのか?考えてみました。それは、最後まで本音で自分の気持ちを話したり、いさかいの原因になった出来事について一緒に振り返ったりしていないということだと気づきました。最後まで逃げていました。
いろいろな価値観をもった人がいます。いろいろな個性をもった人がいます。いろいろな人と接すれば接するほど、自分の人生が豊かになるとも思います。居心地のいい人とばかり、ずっといられるわけでもないですし、多少居心地が悪くても、その居心地の悪さが実は自分の弱さや強さを象徴する気持ちの動きではないかと思うのです。
この校長談話を書いていて会いたくないと思っていた唯一の人に会ってみたくなりました。自分も年齢を重ね、相手も年齢を重ねています。会って、その時どんな思いだったのか、話してみたいと思います。これから先、年齢を重ね、様々な経験をした学生、卒業生の皆さんにとっての「会いたくない人」が「会ってみたい人」になることを期待しています。


              平成29年8月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子


「ひとり旅」

夏休みがもう終わろうとしています。学生たちの夏休みの様子をみていると自分が学生だった頃のことを思い出します。
私は、看護短大へ行っていた二十歳の頃、ひとり旅に出かけました。今思えば、よく親が許してくれたと思います。ヨーロッパ、エジプトを21日間ほどかけてまわりました。往復の飛行機と最初と最後の1日だけホテルが決まっていて、それ以外は自分で計画して旅をするというツアーでした。英会話もままならない状況で、新しい街に移動し、まずはホテルを探してチェックインして観光する…それを繰り返し、フランス、イギリス、イタリア、ドイツ、スペイン、ギリシャ、エジプトの首都を中心に巡りました。
最初は緊張して、とにかく顔もひきつっていたようです。偶然、往復が一緒になった日本人の方が、帰りの私の様子をみて「日本を出る時には大丈夫かしら?と思ったけど、今はもう少し旅をしたい、帰りたくないって感じね」と言われました。本当にその通りで、私はひとり旅を満喫しました。たくさんの外国の方と友達になりました。もちろん、困ったこともたくさんありました。予約したはずの列車に乗っていると、途中までしか座席指定券がなく、途中から連結部分の床に座ったこと、サグラダファミリアを目の前にして感動してぼ~っとしていて眠くなりベンチで眠ってしまって警察官に起こされたこと、エジプトでお腹を壊して大変だったこと…などなど。今でもいろいろなことを思い出します。初めての海外旅行でひとり旅…何て無謀な若者なんだろうと今なら思いますが、何かに突き動かされた行動でした。しかし、間違いなく、生きる自信につながりました。
かわいい子には旅をさせろ、とはよく言ったものです。自分が親となり、子どもがひとり旅したいと言い出したら、心配な気持ちを押し殺し、歯を食いしばってでも送り出さなければと思っています。旅だけでなく、何かに挑戦しようとする気持ちは大切に支えていきたいと思います。
多くの経験をして、今の自分がある…そう思えるように学生達にも多くの挑戦、経験を通して豊かな人生を歩んでほしいと思います。


              平成29年9月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子


「看護師としての思い出~Part7~」

とても久しぶりに看護師としての思い出を書くことにしました。今回で私がこの校長談話を書き始めて43回目なのですが、振り返ってみると看護師としての思い出についてが6回とは少なすぎる!と思ったからです。今回は、比較的新しい思い出について書こうと思います。
Dさんとの出会いは、外科病棟に勤務しているときでした。手術をされたDさんは、術後の痛みがひどく、動くことがとても辛そうでした。しかし、手術後はできるだけ早く起き上がり、動くことが、その後の回復にとって必要なことであることも十分理解されていました。ある時、手術後数日のDさんからナースコールがありました。ナースコールにでた看護師から「宮原さん(私の旧姓です)に来てほしいって言われています。」と伝えられました。私は「何だろう?今日は受持ちじゃないけど、何かあったのかな?」と思いながら病室を訪れました。そうするとDさんは、痛みで顔をゆがめながら、「お~来てくれた。これで起き上がれる!」と言いました。私は、どういう意味なのかよく分からないまま、起き上がる手助けをして、トイレまで付き添いました。トイレが終わったというナースコールの時も「宮原さん、お願いします」と言われていると他の看護師から聞きました。「どうしてかなぁ」と思いながら、トイレに行き、部屋まで戻り、ベッドに横になるまで手助けしました。
その後もこの「指名」は続きました。痛みが和らいだころには、この「指名」はなくなりました。Dさん曰く、「安心するから…」ということだったようです。私に会っていただいたことがある方は、お分かりだと思いますが、私は体格がよいため「安心感」があったようです。自分の身を任せてもよさそうだと思ってもらえることは看護師冥利につきるなぁと思ったものです。ですから、体型を気にして痩せようと努力し、体力・抵抗力がなくなっている学生を見つけると「看護師さんが患者さんに心配されるといけないからね。しっかり食べて、しっかり寝て、健康な身体でいることはとても大切なことだよ。」と話します。
そして、卒業生たちが多くの患者さんから、「看護師さん」ではなく、「○○さん」と呼んでもらえるような看護師になるように…といつも願っています。


              平成29年10月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子


「卒業生の皆さんへ」

10月の半ばより、卒業生向けのコンテンツをホームページに追加しました。メール連絡網に登録してくださっている1回生の方には、連絡しましたが、それ以前の知多市立看護専門学校時代の卒業生の皆さんには、この場を借りてご報告します。
今まで、卒業生の皆さんが、進学や資格申請などのために卒業証明書、成績証明書を請求したいと思った時には、一度は来校していただく必要がありました。そのため、遠方の方にはご迷惑やご不便をおかけしていたこともあったと思います。そこで、今回、ホームページ上に申請書類を提示して、郵送で入手することができるように致しました。
毎年、何名かの卒業生が大学への入学、助産師学校等への進学などのため、書類を請求されます。請求がありますと、書類を作成し、その方の在籍時の記録と照合するなどを複数名で行い、学校内で決裁を取り、ご本人の手に渡るようにしております。ですから、○回生の○○さんが○○に挑戦するんだ…ということを私は知ることができます。そんなとき、いつも大変うれしく思います。看護師資格の良いところのひとつとして、様々なキャリアアップが可能なところがあると思っています。卒業生の皆さんが、日々の看護から、自分の目指すべき、あるいは目指したい看護師像を描き、それに向かって努力する姿は教員である我々にも喜びを与えてくれます。
一度働いてから、再度学ぶこともとても意味があることです。臨床での経験が学びを深めてくれると思うからです。そして、目の前の患者さんに最善の看護を提供するために常に学び続けることが、看護師として働く上で倫理的に必要とされていることでもあります。私達教員も、常に学び続ける姿勢を持ち続けなければ…と思っています。
『卒業生の皆様へ』のコンテンツでは、同窓会関連のお知らせなども出させていただきますので、是非ご覧ください。


              平成29年11月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子


「同窓会活動」

来月、今年度2回目の同窓会役員会を開催します。公立西知多看護専門学校になってから、一回生の皆さんが新しく同窓会を立ち上げて下さり、今年度で4年目になります。
以前の知多市立看護専門学校時代の同窓会活動も、女性が多い学校のためか、不規則な勤務をしている方が多いためか、名簿の管理や活動自体の継続が非常に難しく、一部の方に負担がかかってしまっていたと聞いています。新生同窓会も残念なことに既に学校側からは連絡が取れなくなってしまっている方もいらっしゃいます。
私は50歳を超え、学び舎を同じくした人たちの集まりによく参加するようになりました。いろいろな意味で振り返ったり、懐かしんだりするゆとりができてきたのかな?と思っています。しかし、どの集まりもそれを主催し、計画する人たちは大変です。私もそのような立場で参加することもあります。なかなか話がまとまらなかったり、連絡が取れなかったり、複雑な昔の人間関係が影響していたり…様々な難題があることもあります。
しかし、楽しい!嬉しい!皆が楽しそうに話している姿を見るのも嬉しい!だから、難題も乗り越えることができるのだと思います。そして、そのような役割を与えてもらえていることにも感謝し、できない時はできないと伝え、お互いに助け合えるような関係を保ちながら、活動を続けたいと思っています。古くからの友人だからこそ、その時代に戻った気持ちで会話しつつ、今現在抱えている自分自身の問題や課題についても話すことができることもあります。
当校同窓会の現役員の皆様、大変なこともあると思いますが、サポートしますのでこれからも細々とでも同窓会としての活動を続けていけるようにと願っています。それもまた当校の歴史を形作り、後輩の誇りへとつながるものだと信じています。


              平成29年12月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子


「評価の年」

新年あけましておめでとうございます。早いもので、今年で学校に来てから6年目を迎えます。今年度は新カリキュラム完遂の年として実践しておりましたので、来年度は「評価の年」だと思っております。
今年度より着手している学校全体の自己点検・自己評価結果を完成させ、学校外の方からも評価を頂こうと考えております。また、新カリキュラムの中で学びを深めた学生が、卒業し新人看護師として働くことになります。大きな変化はないかもしれませんが、今までの卒業生同様に臨床の場で力を発揮してくれることを期待しています。
今まで実践してきたことを評価し、振り返ることで、前に踏み出す方向性を明らかにすることができると思っています。今年度、教員に学内の講義や演習、学外での実習についての自らの指導の在り様について振り返りをするように働きかけました。私達教員は、学生の評価をしますが、学生から学びを得ることも非常に多くあります。学生は、本当によく教員のことを見ているなぁと感じることがあります。時々、実習での様子や講義の様子を学生から聞くこともあるからです。我々教員は、学生に常に見られている存在として、恥ずかしくないように日々過ごさなければ…と思っています。当校の教職員は、私が赴任した時からずっと一貫して、様々なことに前向きに取り組んでくれます。それは、本当にありがたく、実に多くの事業を実現することができた基盤でもあると思っています。
新しい年を迎え、今年度のまとめの期間であり、来年度に向けての助走期間となりました。年齢を重ねてはいきますが、皆で協力して、学生の学びをサポートできる環境を更に良いものにしていきたいと思います。


              平成30年1月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子


「新しい母性看護学実習」

今回は、新しい母性看護学実習についてのお話です。
これは全国的な問題なのですが、周産期の看護を中心とした母性看護学実習を継続して行っていくことが非常に難しい状況があります。これは、少子化、産婦人科医・小児科医不足による出産の取扱い中止など周産期医療を取り巻く課題に加え、看護系大学の新設による実習生の増加や男子看護学生の増加という学校側の状況など多くの要因によって引き起こされている問題です。
当校では、一昨年の終わりから検討を始め、県の承認を得て、1月の終わりから新しい母性看護学実習を開始しました。新しい母性看護学実習には、体験実習や子育て支援実習もありますが、中心となる病棟実習では婦人科系の疾患をもつ患者さんの意思決定支援に焦点を当てています。看護師にとって患者さんの意思決定を支えるということは非常に重要な援助になります。また、婦人科系の疾患ということでセクシュアリティに関わる問題もはらみ、リプロダクティブヘルス/ライツの観点からもその重要性は高いと考えています。一方、看護学生が意思決定支援をするということは非常に難しいことであると思います。しかし、患者さんが病気を診断されてから現在の治療を受けられるまでに意思決定してきたプロセス、医療従事者の関わり、患者さんの受け止めについてお話を聴くことは可能ではないかと考えたのです。そして、患者さんは語ることによって自らの意思決定を振り返ることができ、自分自身を認めることにも繋がるのではないかと思うのです。
学生は自分の知りたい情報を収集するために患者さんのお話を聞くことが多く、「知りたい」が先行してしまいがちです。この実習を通して、患者さんの「語り」に耳を傾け、ケアとして「聴く」というコミュニケーションをとることができるようになることを願っています。そして、今後意思決定支援をしていく際の基礎となる学びになると思っています。
談話の更新が遅れたことが幸いし(!?)、実習場所から嬉しいニュースがありました。学生がお話を聴いたことで患者さん自身が「話せてよかった」と言ってくださったということがあったそうです。新しい実習で教員も緊張していましたが、臨床の指導者さんの協力もあり、このようなニュースを聞くことができたと感謝しております。また、この実習を行うにあたり、多くのアドバイスをいただき、実習前セミナーにご協力いただいた人間環境大学の北川眞理子先生、杉下佳文先生に感謝申し上げます。




              平成30年2月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子


「愛校作業」

毎年、この時期になると3年生が行ってくれる愛校作業を話題にしています。今年も、多くのお願いをしました。例年と少し異なることは、最後の演習である「看護の統合と実践演習2」で行われた技術試験の再試験が同時に行われているところでした。つまり、一部の学生は技術試験のための練習や本番の試験を受験していました。また、その患者役や練習時のチェッカーも学生が行うため、愛校作業初日は、参加できる学生が非常に少ない状況だったのです。にも関わらず、少ないメンバーで精力的に作業を行ってくれました。
そして、再試験が終わった学生も合流した翌日からも、お願いした内容以上のことを次々に実施していってくれました。そして、その完成度と手際の良さが素晴らしいのです。これは、この学年の特徴だと思いました。ふらふらしている人がおらず、皆が熱心に取り組んでくれました。お蔭様でブラインドや蛍光灯など、普段掃除が行き届かないところまでキレイになりました。
この3年生は、新しいカリキュラムでの教育を始めた学年です。その学年の学生が、このような動きをしてくれたことを非常に嬉しく思いました。
そして、今月もこの校長談話の更新が遅れたことで、嬉しい情報を追加することができます。3年生に私が作成した学校案内ビデオを観てもらった時のことです。上映が終わり、後片づけをしていた時のことです。副級長が級長に前にでるように言いました。そこで3年間、級長を続けた学生への感謝の気持ちを込めたプレゼントの贈呈が行われたのです。1年生の時にクラス運営で悩んでいたことを知っていましたので、その光景を見た私までもらい泣きしてしまいました。
優しい学生が本当に多い、良いクラスだったなと実感しました。1年生、2年生も2年後、1年後を想像し、チームで働ける看護師を目指して、良いクラスを作っていってほしいと思います。




              平成30年3月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子


「年度がわり」

歳を重ねるごとに、月日の流れの速さを実感しています。そして、この時期は、新年度の準備に追われつつ、更にその速さが増す感覚になります。
3月には年に一度の同窓会総会が行われ、新入会員の歓迎も兼ね、卒業生が懇親会を開催してくれました。現在同窓会員111名ですが、そのうちの32名が出席してくれました。懐かしい顔ぶれが集まり、とても嬉しく、楽しい時間を過ごすことができました。その後も卒業生や以前当校で一緒に働いていただいた方がいらっしゃるなど、今までのことを振り返ったり、新年度のことを考えたり…そんな日々が続いております。
人事異動もありました。私が校長となった2014年に当時の知多市民病院から来ていただいた副校長が、今年度より公立西知多総合病院で教育担当として勤務されることになりました。病院勤務、看護学校勤務を複数回経験されている人材ですので、病院における院内教育や実習指導体制が今後更に充実すると思います。そして、庶務課にも新しい職員が市役所から来てくれました。学校という特殊な環境ではありますが、事務方の職員だからこそできる学生への側面的なサポートをしていただけることを期待しております。
教務課長が副校長も兼務してくれることになりましたし、育児休暇取得後の教員も復帰します。1年間の教員養成研修を終えた教員も本格的に講義や実習に関わることになります。このような変化の中、新1年生も30名入学してきます。新しい風がたくさん、吹く中で今までの伝統を大切にしつつ、更に良い学校へと成長できるように全員で一丸となって様々なことに取り組んでいきたいと思います。
新1年生の皆さんが、この学校を選んで良かった、入学して良かったと思っていただけるように…そして在校生が更に輝けるように…「看護って楽しいな」と思ってもらえるように…今年度も努力していきたいと思います。


              平成30年4月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子


「それぞれの春」

4月13日、14日に新入生春合宿を行いました。一泊二日の研修です。新入生30名全員が参加し、2日間、楽しく、有意義な時間を過ごすことができました。今年から、担当者が変わり、プログラムの見直しも行われ、何だかとても嬉しく思いました。私が当校に来た翌年の入学生から始め、既に5回目になりますが、どんどん新しい形に変わり、よりよく変化しているからです。毎年行っていることはマンネリ化しがちですが、担当者の交替や毎回の振り返りから「より良いものを目指す姿勢」がなくてはこのような変化は見られないと思うからです。
2年生は宣誓式の準備を始めています。宣誓の言葉を考えるところから、クラスのカラーが出ていて、式の練習も非常に熱心に取り組んでいます。5月2日、この談話を更新した後に本番を迎えます。思い出深く、これからの実習に向けて決意を新たに取り組むことができるような式典になればと思っております。
3年生は、毎年のことですが、4月になると「3年生の顔」になります。4月に行った校内防災訓練でもリーダーシップを発揮し、避難訓練では他学年と比較し、静粛に、しかも整然と動けていたことが印象的でした。5月には精神看護学実習が始まります。この実習を経験すると更に成長します。3年間かけて、少しずつ、着実に成長していく学生たちを見ていると、自分も頑張らなければと思います。いくつになってもそんな思いを抱かせてもらえるのは学生のお蔭だと思って感謝しています。
4月に人事異動があり、心配な面もありましたが、教職員の協力体制が強化されたように感じますし、とても雰囲気が良いなぁと思っています。我々教職員が前向きでいることが学生の学習環境の改善につながることは間違いありません。この雰囲気を大切にしていきたいと思っています。


              平成30年5月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子

「高校訪問」

今年度も高校訪問の季節となり、5月の終わりから、在校生の卒業高校を中心に19校の高校を訪問しています。この高校訪問は、高等学校の進路指導の先生とお会いして、当校の特徴をお話しさせて頂いたり、受験についてのご説明やオープンキャンパスのご案内をすることが主要な目的です。加えて、在校生や卒業生の様子をお伝えしたり、看護系の進路指導をされる際に感じられる指導の難しさについてお伺いしたり…といろいろな目的をもって行っています。
その中で、いつも思うことは、高等学校の先生も含め、私達教員の関わり方次第で生徒、学生は本当に成長するのだということです。お話を伺っていて、進路指導に熱意をもって取り組んでいらっしゃる先生方の在籍されている高等学校を卒業された学生は、当校での学びの上でも前を向いて頑張れる人が多いのです。先生方は、きちんと一人一人に向き合い、その進路について共に考え、悩み、支えて下さったお蔭だと思うのです。だからこそ、目標をしっかりと見据えて、自ら努力できるのだと。
そのような先生方から受け継いだ大切な学生を迎えた我々は、その目指す道を共に歩き、時には先を照らし、時には前を歩き、時には後ろから見守り、学生一人一人が胸を張って旅立つことができるように支えねばならないと強く思う貴重な機会になっています。更に、高等学校で学生たちの成長を見守って下さった先生方に更なる成長ぶりをご報告することもこの訪問の大きな目的であると実感もしています。
6月の初旬まで高校訪問が続きます。高校の先生方との出会いを大切にし、高等学校からの教育、そして当校卒業後の卒後教育へと繋ぐことも頭にいれながら、看護専門学校として更に努力してまいりたいと思います。


              平成30年6月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子

「里帰りデー、そして卒業生の来校」

今年度も6月14日に里帰りデーを開催しました。昨年度卒業した27名中24名の卒業生が参加してくれました。皆で丸く座り、お茶やお菓子を飲んだり、食べたりしながら、近況報告をしました。このクラスの特徴だと思うのですが、一人話すと自然に誰かが応答する、話が終われば自然に拍手…。何とも温かい雰囲気で時間を過ごすことができました。入職から2ヶ月経ち、できるようになったこともあれば、自分の出来なさに、ただただ情けなかったり、不安だったり・・・いろいろな感情が日々、くるくると変化している時期だと思います。そんな中で、学生時代に様々な経験を共にした仲間と会うことで、「自分だけじゃない…」という気持ちを実感してほしいなと思い、企画しています。
終了後のアンケートには、「話が聞けて良かった」「話ができてよかった」「ほっとした」「自分だけじゃないと思えた」などの意見がみられ、ひとまず、開催して良かったなと思いました。帰る時には、皆が元気になったような気がしましたし、「また、遊びに来ます!」とも言ってくれました。卒業式のときに、「悩んだり、立ち止まったりしたときには、是非来て話を聞かせてください」というメッセージを送るようにしています。だからこそ、卒業生が気軽に立ち寄れる学校でありたいと思います。
その思いが届いたのか、最近、よく卒業生が顔を見せてくれます。図書館に調べものに来たり、私達と話をしに来たり、在校生に会いに来たり・・・理由は様々ですが、皆が来てくれる回数が増えたなぁと思います。そして、その様子を在校生が垣間見ることになり、自分たちも卒業したら…と考えてくれる・・・そんな良い循環が生まれてきているのだと思います。入学していただいたら、そのご縁を大切に、在校時はもちろん、卒業後もずっと応援団でいさせてもらえることに感謝しています。



              平成30年7月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子

「プロセスレコードの検討会」

3年生の統合と実践演習でプロセスレコードの検討会を6回実施しました。そして、そのまとめとして7月30日にグループ発表を行いました。各検討会でそれぞれの持ち寄った事例についてグループで検討した結果です。5つのグループがそれぞれの持ち味を活かし、さすが3年生と思える発表をしてくれました。
入学当初に行ったグループワークやその結果発表を思い出すと、その成長ぶりを実感し、とても嬉しく思います。当校では、社会人基礎力と倫理性を育てるため、グループワークを多く取り入れています。1年生の時に話せなかった人も3年生になる頃には、自分の意見を言えるようになってきます。とはいえ、個々の学生の持ち味もあり、当初より発言が控えめであった人は、3年生になっても控えめではあります。ですが、自分の役割が出来た時や自分が主体となって発言しなくてはいけない場面においては、きちんと発言できるようになってくるのです。
そのような成長を促す「しかけ」として、ピア評価を実施することがあります。学生同士で、グループワークにおいて、どのようなところが良かったか、どのようなところをもう少し努力すると良いか、という視点で評価しあうのです。私達教員は、その結果を取りまとめ、学生個人にフィードバックします。一朝一夕に変化があるわけではないですが、様々な場面で「自分の考えを伝える」「自分の思いを語る」という機会を増やすことも心がけています。
看護学校の3年間はあっという間ですが、人としての大きな成長を見せてくれる時だとも思います。それぞれの学生が自らの課題を認識し、その改善に自律して取り組んでいくことができるように応援していきたいと思っています。



              平成30年8月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子

「旧友との再会と新しい出会い」

8月2日に、毎年、開催している全体講演会を行いました。大変な猛暑の中、京都大学医学部大学院医学研究科人間健康科学専攻 緩和ケア・老年看護学教授である田村恵子先生をお迎えすることができました。テーマは「スピリチュアルケアとは-アセスメントの視点から-」でした。学生以外にも教員、母体病院の看護師も聴講し、会場は熱気であふれていました。田村さんとは、大学院時代に共に学んだ仲間であり、今回の講演もその縁でお引き受けくださったと思い、大変感謝しております。
田村さんは、NHKザ・プロフェッショナル仕事の流儀にも出演され、その後ドラマのモデルになった方でもあります。しかし、私にとってはまさに「旧友」で、年齢の差はあるものの、再会した途端に20年以上前の自分に戻ってしまいました。大学院時代から今もそうですが、常に私の前を歩き、様々な刺激をくださいます。スピリチュアルケアを実践する人は、自らのスピリチュアルにも目を向ける必要があるというお話が印象に残りました。学生たちと関わっていて思うことは、看護学校の3年間で「対象をおもう」ことを学んでいるのだということです。入学前までは、自分中心であった生き方、ものの考え方を3年間かけて、他者の立場になる…ということを学ぶのだと思っています。ですから、学生にも、まずは自分の感情に向き合うことを勧めています。この営みがスピリチュアルケアに繋がっていくと信じています。
そして、8月13日に新しい出会いもありました。知多市長さんのご紹介で「寝たきり社長」と名乗られている、佐藤仙務さんにお会いしました。佐藤さんは、脊髄性筋委縮症で、動かせるのは親指と顔だけですが、2011年に19歳で株式会社「仙拓」を起業されました。今回は、佐藤さんの生活を支えるヘルパーとして看護学生にアルバイトをお願いできないかということでいらっしゃいました。お話の中で印象的だったのは、「僕みたいにいろいろなケアが必要な人で、言葉でコミュニケーションをとれる人って少ないと思うんですよね。だから学生さんにも勉強になると思うんです。」という言葉でした。その臆することのない、前向きな言葉に驚いたのも事実です。しかし、医療ジャーナリストの塩田芳亨さんの著書(『寝たきり社長 佐藤仙務の挑戦』)を読んで、そういう発言をされる佐藤さんの在り様を少しは理解したように思います。佐藤さんは、目指す方向に向かって、必要な人と出会い、そして巻き込んでいく天才なのだと思いました。何だか「巻き込まれてみたい」…そんな気持ちになりました。学生からの申し出があり、ご縁が続くことを願っています。
田村さんと佐藤さんの共通点は、「前向きな姿勢」だと思いました。目指す方向がはっきりしているのだと思います。だからこそ、活動の場やその方法を変えながらも、しっかりと前を向いているのだと思います。このお二人との関わりから、私自身も気持ちを引き締め直して、目指す方向への歩みを進めていこうと思いました。

              平成30年9月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子

「論文抄読会」

今年度も論文抄読会が始まりました。科目名は「看護研究」で、30時間のうち、15時間を使って論文抄読会を行います。夏季休暇前に課題として、個人でグループごとに与えられた論文一編を読み込み、評価表に評価結果を記入するということを提示しました。そして今月から、個人で取り組んだ結果を持ち寄り、グループワークを実施しています。
論文を評価するということはもとより、論文をしっかり読むこと自体が初めての体験である学生がほとんどです。ガイドラインに沿って評価をするのですが、そのガイドラインで使われている言葉の意味が分からない…という状況です。そんな中でも、それぞれの力を出し合い、時には教員の説明を受けながら、評価項目に沿って、ひとつずつ評価をしています。
ほとんどの看護系大学では、個人で看護研究を行い、卒業論文としてまとめる経験をしていると思います。しかし、当校では、その時間をとること自体が難しいため、「自ら看護研究できる」レベルではなく、「他者が行った看護研究成果を活用できる」レベルを目指しています。つまり、臨床で困った事例に出会った時などに、文献検索を行い、活用できそうな文献をみつけ、それを評価し、信頼できる研究結果をケアの根拠として活用することができるようになってほしいと願っています。そのような取り組みを日常的にしっかりと行うことができれば、自らが臨床で看護研究に取り組む際にも、評価項目と評価のポイントを念頭に置いて実施できると考えています。
分からない言葉のオンパレードという状況に、時々、グループワークが停滞することもあります。ですが、「そういうことか!」と分かった時の学生たちの目の輝きも印象的です。毎年、少しずつ、学生たちが取り組みやすいように資料を作り直したり、オリエンテーション内容を修正したりしています。看護研究は、決して楽しいばかりではないけれど、取り組む事でその先に喜びや充実感、達成感があると思います。そして何より、看護師として、看護の質を上げていくためにも続けていかなければいけない責任があると思っています。


             平成30年10月 公立西知多看護専門学校
                     校長 竹内(宮原)晴子